Facebookの「Graph Search」とは

 Facebookに「Graph Search」なる新たな検索機能が限定公開され、評価の論議を呼んでいる。自然言語処理できることや、Bingとの連携がなされていることに特徴があるようだが、問題はそれで何が検索できるかであるようだ。

Facebookの「Graph Search」が持つ意味とは..(CNET Japan)
Facebookの「Graph Search」-数時間使ってみた第一印象
Facebookの新検索ツール「Graph Search」--写真で見るその機能
グーグルCEO、Facebookの手法を批判か
Googleのラリー・ペイジCEO、「Facebookのサービスは本当にひどい」..(ITmedia)

 Facebookは人との繋がりの中から欲しい情報を検索するわけだから、ある場所で良いレストランを探したい、旅先でのお勧めを知りたい、などとなれば、友人関係の中からそうした経験の書かれた記事の中から探すことになるだろう。そうなると一時やらせで問題になった口コミサイトのような役割を果たすかもしれない。第三者の口コミと違って友人関係からのものだから信用性は高い。仕事関係だとFacebookのコネによる、LinkedInのような人材紹介に繋がるかもしれない。というのが表面的な評価だろう。


 Facebookとしてはこれまで強力な検索機能がなかった。ここに至って検索に力を入れたのは明らかにGoogleへの対抗を意識したものであろう。またこれまでのような普及期を過ぎて新規登録者数は頭打ちになってくる。そうすると既存のユーザのサービスを充実させ、その中で新たなビジネスを生み出していく必要がある。その足ががりにしたいのが今回の新機能であると思われる。登録はしたものの、ほとんどアクセスしない幽霊ユーザが増えて結局失敗していくサービスも過去には多かった。そうしたユーザをアクティブにし続けていく技術、運営が重要になってくるのだろう。


 「Graph Search」を意識したかどうかは定かではないが、Googleラリー・ペイジCEOは「Facebookのサービスは本当にひどい」とまで言い切っている。Google+Facebookに対抗したかに思えるが、Googleにすれば一連のサービスの中の1つという位置づけなのだろう。SNSを中心に据えてその分野を独占しているかのようなFacebookと同じ視点には立っていないということなのだろう。しかしそのFacebookが逆にGoogleのオハコである検索機能を持ち出したことから、カチンときたところはあるかもしれない。


 しかしこのザッカーバーグCEOの発表の様子は、事情を知らなければどこかの大学生の研究発表の姿のようにしか見えない。かつてのスティーブ・ジョブズのカリスマ的姿とはだいぶ違う。それだけにこうした発表が世界に影響を及ぼすかもしれないことは、凄いことではある。