ドコモが1万円切るタブレット「dtab」

Kindle Fire HDNexus 7の価格はAndroidタブレット市場に大きな影響を与えそうだが、それに対抗してかドコモが1万円を切るタブレットを発売するという。ドコモはこの市場に割り込むことができるのだろうか。またその目標は何なのだろうか。

ドコモ、1万円切るタブレット「dtab」を投入(ITmedia)
ホームユースに向けた10.1インチのWi-Fiタブレット (ケータイWatch)

 ドコモユーザとしてはテザリングを含めたWi-fiの価格帯は気になる。回線の質はドコモがよいのだろうけれど、Wi-fi契約は「業界最安値」だとか競争が過当気味である。Kindle Fireなどの価格からみれば半年ほどWi-fiを使い続ければ、同じ料金で新しいタブレットが買えてしまうことになるからである。PCと違ってむしろランニングコストの方がかかるようなイメージである。ドコモの場合も、タブレットも携帯やスマホの端末の料金と同じで、たとえ0円でも回線契約が2年間だとか取れれば端末代金分は回収できることになる。1万円を切ることができたとしてもそれに付随する回線契約やプランが問題だろう。


 Amazonの場合はKindleの端末代金より、Amazonのコンテンツにスムーズにアクセスできるユーザを増やすというコンセプトにあると思える。Amazonのショッピングカートを格安で配布したと考えれば、いずれ元は獲れるという読みだろう。GoogleにしてもAndroid市場の中核を維持するという意味は大きい。


 しかしドコモの場合は背景となるコンテンツが問題である。Androidタブレットの端末だけは安くても、それによって縛られる回線契約やプランで結局は支払いを続けなければならない。ドコモからすれば、タブレットによってWi-fi契約を余所に取られないようにする目的に見える。コンテンツはあまり期待できなくて結局AndroidストアやAmazonに行くのならば、トータルのメリットはそれほどないようにも思える。「1万円を切るタブレット」はそれなりのインパクトはあるが、ドコモユーザとしてもそれが「買い」かどうかは何とも言い難いところである。