PC遠隔操作事件の犯人逮捕

 だいぶ世間をお騒がせしたPC遠隔操作事件の犯人が逮捕されたとの報道がマスコミで速報されていた。誤認逮捕があったことから即断はできないが、事件も一段落しそうではある。

PC遠隔操作事件、男を逮捕(ITmedia)
「全く事実ではない」逮捕の男は容疑を否認 PC遠隔操作事件

 元々の犯行容疑の内容についてはほとんど関心がないが(2ちゃんねるでの殺害予告?)、実際に何も関係もない人の警察の誤認逮捕の方が大きくクローズアップされた事件である。警察の失態というより、警察のサイバー犯罪捜査のレベルがうかがい知れてしまうようなお粗末さだったからである。


 また世間的な影響としては「ネットでうかつな所にアクセスすると間違って逮捕されることもある」という恐怖心を与えたことがあるかもしれない。あらためてネットは怖い所なのだと。


 この事件ではマスコミは、犯人がいかにも技術レベルの高いハッカーのように報道していたが、警察や検察を挑発するやり方などから、むしろ幼稚なレベルの犯罪であるように思えていた。匿名化ソフトなどといってもフリーで公開されているものであり、匿名Proxyなどと同様で昔からあるIPアドレスを隠す方法に過ぎない。要は使う人間の問題なのである。


 もう1つはマスコミも警察の「2ちゃんねる潰し」に協力しているかのような報道である。そもそも犯罪が起きたのは2ちゃんねるが存在するから、というイメージを植えつけているかのようである。むしろネットの中での騒ぎをマスコミがニュースの中で大きく取り上げること自体が犯人を劇場型犯罪へとエスカレートさせているとは考えないのだろうか。