Appleが腕時計型端末を開発中か

 音楽プレーヤーiPod、携帯電話とカメラiPhone、書籍とノートPCのiPadに続き、今度は腕時計の分野にも進出、と思わせるのがAppleによる腕時計型端末を開発中との話である。

Appleが腕時計型端末を開発中? iOS・曲面ガラス採用(ITmedia)

 あらためてAppleMac以降に世の中に出してきたものをみてみると、誰でも日常的に所持したり身に付けているものに着目しているがわかる。「いつでもどこでも」は確かにPCやネットワークの理念ではあったが、PCという枠にとらわれることなく生活の中の機器に着目しブームを起こし、ネットの力でそれらを分野の変革も起こしてきた。先行する機器はあっただろうがAppleのようなブームは引き起こせなかった。この方向性はまだまだ続くようで今度は腕時計であるというわけだ。


 実は携帯電話を所持するようになって自分は腕時計というものをほとんどしなくなった。手首周りが鬱陶しく感じることもあるのだが、何より携帯を見れば時刻も日にちも分かったからである。腕時計といえばカメラや音声機能付きのものもあるだろうが、本質的には時刻表示するだけの「シングルメディア」だといえる。しかしこれをスマホと同じく情報端末化しようというわけである。


 物理的制約としては、スマホよりさらに時計の画面は狭いことである。その中で時刻の確認以外のことをどれだけ行うことができるかである。長い文章を読むことはないだろうが、twitterくらいや写真や短い動画の撮影、再生はありうるだろう。イヤホンを付ければ音声通話も可能だろう。それから思いついたのは、腕時計がポケットWi-fiルータの役割をしてくれないかということである。これだとWi-fiルータをわざわざ独立に持ち歩く必要はなくなる。


 さて考えてみれば、日常的に身に着けているものの情報端末化というのは、何のことはない、10年以上前から言われてきた「ユビキタスネットワーク」の実現である。しかしいくら技術的には可能であっても、社会的ニーズやネットなどの環境の整備がなされていなければ絵空事にすぎない。ネット、スマホタブレットの普及、クラウドという背景が社会にあって、初めて腕時計型端末も意味のある機器になるかもしれない。