超低価格ノートPCはどうなる

 価格だけでも画期的な携帯型ノートPCが、海外で大変な人気だという。台湾のASUSから出ている「Eee PC」というのだそうだ。ハードディスクの代わりにフラッシュメモリを搭載していることもあって、結果的に軽量化、低コスト化を実現しているという。日本国内でも年が明けてから発売されそうだが、搭載されるOSのことで雲行きが怪しくなっているという。

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ASUS,「Eee PC」を北米で正式発表へ

 CPUクロック数が900MHzと、フラッシュメモリ容量が最大でも8GBのことも考えれば、OSは当然Linuxが適しているであろう。ところがMicrosoftがEee PC向けのWindowsを値下げしたものだから、多少高くてもWindows XPを入れた方が売れるという見込みでいるようだ。その結果、日本語Linux版は出ないのではないかと懸念されている。「日本語化」が必要な日本ならではの話である。


 しかしせっかくこれだけコンパクトなノートPCに、わざわざ太ったWindowsを入れるという感覚の方が信じられない。それだったらいくらでも安価なデスクトップの重装備のマシンに入れればよいだけの話である。コンパクトで軽量で持ち運びが便利なノートPCで、重たくライセンスにガチガチにされたWindowsを使いたいというユーザが多いと見ているのだろうか。


 これこそWebにアクセスしてSaaS型のサービスを使う、シンクライアントとして使えば十分なものではないかと思う。起動してネットに繋いでブラウザさえ開けば、後はWebサービスだけで十分に事が足りる。それをさらにMicrosoft Officeを入れたり、下手をすると先にはVistaを入れたいなどと考える人もいたりするかもしれない。それではせっかくのコンパクトノートPCが台無しである。


 Windowsプリインストール版しか出ないのであれば、OSなしのモデルを出してほしい。なかなかノートPCではOSなしという機種がないので、選択しにくい。WindowsなんたらHome Editionとかなんとか、どちらにせよライセンス付きのものはいらない。自分でLinuxをインストールして入れるまでのことであるし、こういうノートPCを欲しがるユーザとは、そういうことがわかっているユーザが圧倒的に多いと思うのだが、売るだけの人にはわからないのかもしれない。