ドコモとGoogleが提携へ

 WiMAXの認定争いには敗れたドコモだが、従来型の携帯には着々と手を打っているようだ。すでにGoogleマップやカレンダーの改良、そしてAndroidへの参加表明を行っているが、本格的にGoogleと提携することになったようだ。

ドコモとGoogleが提携へ (ITmedia)

Gmailなどに加え、GPSなどの共同開発に取り組み、サービスを強力にしていきたい考えのようである。またAndroid路線の新機種が登場する可能性も現実味を帯びてきたということだろう。


 ただ最近、iPhoneの発売についてもアップルと交渉したばかりのこともあり、米国ではiPhone vs Android(GPhone)と見られているところで、両者と提携してしまったら、この先どういう新機種の戦略にしていくのだろうか。なんとなくauソフトバンクに対してジリ貧傾向にあるドコモが、なりふり構わず動いているようにも見えなくもない。なんだか、なかなか優勝できなくなった巨人が財力に物を言わせて、自チームの若手選手を育てずに、やたら外国人選手やFA選手を獲得しまくる姿に似ていなくもない。


 まだ手にしていないiPhoneや、姿が見えないGPhoneには期待があるだけに確かに魅力的ではある。しかしそれは、近年携帯の分野で日本は世界に立ち遅れてきたことを意味する。iPhoneが欧米に遅れて国内ではいまだに発売すらできないことがそれを象徴している。PCで言えばハードにしろソフトにしろ米国に1年くらいは発売が遅れていた20年前くらいの状勢と似ている。あまり携帯の戦略的事情は知らないが、どこかで日本の携帯の戦略のビジョンが大きく狂っていたせいだとしか思えない。


 もっとも今後も米国の動向にも左右されてどう転ぶかはわからないが、新機種や新サービスを打ち出すたびに、新たな契約者を獲得することに血眼になるのだろうが、古くからの契約者をないがしろにするような戦略はやめてほしい。なにか古くからの契約者が新規契約者をうらやむようになっては、逆にドコモ離れを起こすことになるだろう。もっともこちらは面倒くさいから、そのまま契約を継続しているだけなのではあるが。