ハンドボール、やり直し予選で敗れる

 思わぬことから急に注目を浴びたハンドボールの五輪予選だったが、男女とも韓国に敗戦となり、やはり五輪は遠いようだ。それにしても中東の笛」という騒動の顛末はいかに

男子も散った韓国に3点差/ハンドボール(nikkansports.com)
燃えた!1万人がウエーブ/ハンドボール

 ハンドボールなどは歴史はあるのだろうが、マイナースポーツの典型と思っていた。しかし1936年のベルリン五輪でヒットラーの要求で取り入れたのが最初だそうである。なぜマイナーなものが五輪競技になっていたかという意外な過去である。それだけに権力者に利用されやすいというわけでもないだろうが、アジアでは中東に五輪の運営権限をずっと握られたままで来たようだ。中東側では五輪は自分たちが中心なのだから、弱い他国は形だけ予選に参加させておけばよかろう程度の感覚だったようだ。


 残念ながら日本は実力もあまり上ではないようで、そのため国際的な発言力もこれまでなかったようだが、それがとうとう、運営のやり方に対する不満の堪忍袋の尾が切れたようだ。それでも国際委員会は日本の抗議を支持して予選やり直しを認めたが、中東中心のアジア委員会は日本を処分するなどと息巻いている。どうもハンドボールの試合そのものよりも、その場外乱闘気味の話がやり直し予選の人気に火を付けたようだ。日本人の意識も不思議なものだ。これまで全くといっていいほど知られていなかったハンドボールに、急にこれだけ観客が集まったのだから、いやはやなんともである。


 とはいえ、実力的には韓国の方が上のようで、期待は抱かせたがほぼ順当負けだろう。韓国は思わぬ予選のやり直しで五輪切符を手に入れたので得をした気分だろう。日本の方はにわかに火はついたが、今後ハンドボールに対する関心はどうなることやらである。

 今回のハンドボールの応援には、サッカー関係からの応援もあったようで、そのスタイルも似ていた。普段はサッカーで盛り上がるスポーツバーなども使われたようである。サッカーが足を使うのに、ハンドボールはまるで逆の手を使うことが、かえって対照的で関心を呼んだ理由になったかもしれない。


 ハンドボールなんて、高校のときに体育でやって以来、ほとんど聞くことも関心もなかったことが、急に思い出された感じである。ジャンプして倒れこみながらのシュートが決まるのは気分がよいが、あれはゴールキーパーの方がたまったものでない。シュートしてくる人間が、人ごと突っ込んできて全力でボールを投げ込んでくるからで、実際、顔面に当たるシーンもたびたび見た気がする。あれならまだサッカーのゴールキーパーの方が余裕がありそうである。


 野球は世界的にやる国が少ないと判断されたせいか、球場設備などに金がかかるせいかは不明だが、ロンドン五輪では廃止になる。ハンドボールサッカーほどでなくても世界的にもやる国は多いのだろうか。なんとなく中東の横暴をみているとそうとは思えないのだが、五輪競技としては息が長く続くのだろうか。