MicrosoftがYahoo!買収に動く

 またまた悪の帝国?Microsoftが動き出した。MicrosoftによるYahoo!の巨大買収提案である。以前から水面下の動きは何度もあったと思うが、このタイミングである。一般のニュースにもなっているくらい大っぴらにしているのだから、今度こそは確度が高いということだろうか

Microsoft、Yahoo!に買収提案 総額446億ドル(ITmedia)
Google対抗、MicrosoftがYahoo!に買収提案
「Googleに対抗」――Microsoft、Yahoo!買収の狙い
Microsoft Proposes Acquisition of Yahoo! for $31 per Share(Microsoft)

 Microsoft側の言葉によれば、ネットを独占しているGoogleが悪で、それに対抗する正義の同盟がMicrosoftYahoo!だと言わんばかりである。Microsoftのいつもの詭弁のようでもあるが、おおげさに見れば、アメリカの政治、経済状況にも絡んだ今回の動きではないかとも思える。


 原油価格高騰、その元凶となっているサブプライムローン問題とやらでアメリカの経済は下降しその影響は世界にも広がりつつある。そんな中で話題性のある超大型買収は、株価上昇や景気刺激策になる可能性はある。Yahoo!すらGoogleとは対照的に、利益減少からレイオフを発表したばかりである。Microsoftはそのタイミングにつけ込んだともとられるだろう。

[WSJ] 逆風の中、米Yahoo!が1000人をレイオフ

 それにしてもGoogleYouTubeを買収したのさえも16億5000万ドルだから、446億ドルなどとはもう国家予算規模で想像もつかない。今年に入ってSunがMySQLを買収したのも規模的にはかわいいもの(10億ドル)に見えてしまう。正義の使者は大金持ちでなければ務まらないようだ。


 もう半年以上前に、やはり買収話が出たときに、同じようなようなことを書いたことを自分でも忘れていた。基本的な情勢は変わらないと思えるが、ネットの世界もだんだん寡占化が進んできていることだけは確かなようである。

MicrosoftとYahoo!が合併?(2007.5)
Googleを追う立場になったMicrosoft(2007.5)

 ちょうど米大統領候補者指名選挙も佳境に入ってきているが、最初は多くの候補者がいても選挙が進むにつれて、だんだん脱落していく。本命3人も現在は2人の一騎打ちにまで絞られたようである。ネットの世界もGoogleYahoo!Microsoftが3大候補者だとすれば、2位と3位が候補者を一本化して1位との一騎打ちを挑もうとする構図に見えてくる。