Adobeが「Acrobat.com」を正式版に
Adobeがオンラインツールの一環として、Acrobat.comを正式化した。これまでの無料サービスに加えて有料サービスも開始するという。オンラインのPDF文書化とこれまでのワープロBuzzwordに加えて、表計算、プレゼンテーションのオンラインサービスも始めるようである。GoogleやMicrosoftに続きオンラインオフィスに参戦してくるような方向性であるが、さてどうなるのだろうか。
Adobe、文書共有サービス「Acrobat.com」を正式版に(ITmedia) Adobe、オンラインサービス「Acrobat.com」正式版を開始(INTERNET Watch) https://www.acrobat.com/ (Acrobat.com) https://labs1.acrobat.com/ (Acrobat.com Labs) https://www.photoshop.com/ (PHOTOSHOP.COM)
PDF文書化が大きなサービスであるが、無料だと1ヶ月5件までの制約がある。またWeb会議は自分を入れて3人まで、Webカメラを使いながら会話やチャットを行うことができる。これにワープロBuzzwordを入れれば、一応オフィスでの利用を想定することができるというわけである。さらにベータ版であるが、これに表計算TablesとプレゼンのPresentationが加わっている。GoogleやMicrosoftとともに、オンラインオフィスを提供することになるのだが、Adobeはどのようなユーザを想定しているのだろうか。
PDF文書化といっても、通常のMicrosoft Office文書だと、Office 2007 SP2以降はPDF文書としての保存メニューが標準となっているから、少なくともOffice関連の文書は、わざわざAcrobatの変換ツールを使用する必要はなくなっている。Adobe製品で作った文書ファイルのPDF化が中心となるのだろうか。またワープロにしても、Buzzwordをどれだけ使う場面があるかである。表計算も同様である。
となると、今のところ期待しているのは、Adobeならではの表現力を持つかもしれないPresentationだろうか。ConnectNowで会議をやるときの資料として事前に共有をかけておくのがいいかもしれない。また、以前から期待しているのはオンラインPhotoshopである。photoshop.comを見ると、また画像加工のメニューが加わっているようである。デスクトップ版ほどの機能はまだまだか、将来有料化されるのかもしれないが、やはりphotoshop.comとの組み合わせを使ったAcrobat.comの使い方を考えていくのがよいのかもしれない。ただのオフィス文書なら、あまりアドバンテージがあるとは思えないからである。
しかしオンラインツールの中でも、Adobeは異色であるように思える。Web上で各種のデザインが自由にできるようになることが理想なのだろう。デスクトップ製品からのファイルとの交換と、有料化が今後問題となってくるだろうが、このジャンルはもうAdobeしか残っていないだろうから期待はしている。