Windows 7の価格が公表

 10月22日発売予定(米国)のWindows 7の価格が公表された。Microsoftの営業戦略に関心はないが、相変わらずのハコモノ行政ならぬ「箱売り商法」に、価格の高低以前に、もはや時代錯誤の感じがしないでもない。

Windows 7は1万6590円から、先行予約で最安7777円に(ITmedia)
Windows 7、Vistaより安く 「今日を境にVistaビジネスから移行」(ITmedia)
「Windows 7」の価格発表、Vistaからの移行キャンペーンも開始(INTERNET Watch)
マイクロソフト、Windows 7を期間限定で7,777円にて提供(COMPUTERWORLD.jp)
Windows 7 Ultimateをネットブックで動かすと… (5.13)
MS、Windows 7 Starterエディションでアプリ数制限を撤廃(PConline 6.1)

 今に始まった話ではないが、Editionの内容の違い、およびそれによる価格差の根拠がわからない。たとえ詳しく知ったところで、ユーザには何の役に立つ話でもないだろう。今回は発表はなかったようだが、ネットブックへの対応Editionが何になるのか気にかかるところである。噂される「Windows 7 Starter Edition」では、ネットブックのパフォーマンスへの「余計なお世話」なのだろうが、ユーザの起動できるアプリケーションの数が3つに限定されるのだという。こんな機能はおよそ「対応」といえるのだろうか(注:5/29に撤廃を表明した模様)。


 Editionによって、1000円か2000円しか違わない(BusinessとUltimate)のだったら、WinodowsはUltimateでいいから安価に手に入れたネットブックで使いたいと考えたってよさそうなものだ。PCを複数所有している人にとっては、当然の選択肢の1つのはずである。それをヘビーな機能のデスクトップPCにはBusinessかUltimate、従来型ノートPCにはHome Premium、ネットブックにはStarterと勝手に機能制限を付けられる筋合いはないだろう。仮にネットブックにUltimateだと、Windowsの価格の方がネットブックの価格を超えてしまうことになりかねないので、印象面で都合が悪いので避けたいのではないかとも勘ぐってしまう。


 昔はWindows NTの頃、サーバー用のNT ServerとクライアントPC用のNT Workstationで10万円近くの差があったが、ほんのわずかの機能制限の違いだけであることを暴露され、NT ServerとNT Workstationの価格差はおかしいと訴えられたこともあった。サーバー版とクライアント版ですらそうなのだから、同じクライアント版でそんなに多くの種類に分けて、価格差を付けるのはもっとおかしな話だ。平たく言えばセコさしか感じない。PCハードの性能に応じて軽くするというのであれば、インストール時のオプションとして余分なソフトを入れるかどうかを選択できるようにすればいいだけだろう。もっともそうすれば、営業戦略として価格差のあるメニューを示せなくなる。


 それよりもWindowsも今や、OSの仮想化に対応したエディションを出すべきだろう。それもMicrosoftVirtualPCとかの上でしか仮想化できないようなものでなく、他の仮想化ソフトのゲストOSにもなれるようにしたものである。もうOSはソフトウェアのパッケージの箱として販売店や職場や自宅の中を移動するものではなく、イメージとして雲の中を移動して歩くものになりつつあるからである。ダウンロードはできてもモノとして手元に置く必要はなくなっているということである。