Twitterに大量の不正アカウント

 Twitterユーザが国内外ともにユーザ数を飛躍的に伸ばしているが、同時にフィッシングなどの不正使用のためのアカウントも増えているという。あらためてTwitterの利用目的と可能性を考えされられる話ではある。

Twitterに大量の不正アカウント、偽ソフトや詐欺行為に(ITmedia)

 Twitterのビジネス利用では広告、宣伝に使うというものである。ショートメッセージなので冒頭の売り文句だけ書き、詳細はURLをクリックというわけである。ニュースサイトのTwitterも同様で記事のタイトルや出だしだけを読ませサイト記事に誘導するというものである。つまり、あくまで主はサイトのページであり、Twitterは顧客の呼び込み役に過ぎないというわけである。


 同じ手法で、フィッシング詐欺サイトもTwitterによる釣り広告のツールとして使っているのだろう。ただしこの場合、Twitterの広告そのものが不正だとも言えない。あくまで不正なのは誘導される本体のサイトの内容だからである。ただ数打ちゃ当たるというわけで、多くのTwitterアカウントを使って、詐欺広告のメッセージを送り続けるのだろう。Twitterスパムというべきか。この調子だと、何らかの制限がかけられてくる可能性もあるが、そもそもこうしたTwitterの活用方法はどうなのか。


 Webサイトへ誘導するための単なるツールなら、RSSのようなものと大して変わらないような位置づけになるかもしれない。ショートメッセージだということは、単に多くの宣伝項目(PR)の一覧のように並べたいからだけだということになる。これは一方的に大量に送りつけられるだけのものである。しかしTwitterは時系列で双方向的にメッセージをやりとりできることに本来の意味があるのではないのか。その流れの内容によって、後からでもその出来事の様子をうかがい知ることができるようになっている。一方的な広告などに、誰もフォローや返信はしたくはない。ただ既に顧客になっているユーザに対して、いち早く最新情報を伝えるようなアフターケアには可能性はあるだろう。サービス提供側としても、いち早く顧客からの何らかのレスポンスを収集することができるようになる。結果的にそれがリピーターの獲得につながることになるかもしれない。同じことがメールだと開いて見るのも、鬱陶しく感じられるので「ゆるいつながり」を身上とするTwitterならよいかもしれない。


 いずれにしても、詳しくはURLをクリック、というパターンがTwitterの主導的な利用方法だとはあまり思いたくない。URLを示す必要がある場合はあるだろうが、すべてのメッセージがURLを示す宣伝ばかりだと、むしろTwitterを使うメリットは少ないと思えるのである。逆に考えれば、ユーザはURLを貼ってあるメッセージは無視するという使い方の方がよいのかもしれない。