インターネットから遠隔操作可能にする専用サーバー

 最近、組込み型のサーバーの話題が増えてきたようだが、ラジコンカーをWebから遠隔操作できる専用サーバーが発表された。ラジコンカーだから遠隔で操作できるのは当たり前みたいだが、Webカメラを搭載し、ラジコンカーからの映像を見ながらネットの向こう側から操作できるというものらしい。そのためにラジコンカーが専用のWebサーバーを搭載しているというのが面白いところだ。

Webブラウザからラジコンカー遠隔操作 世界初の専用サーバ(ITmedia)

 マイクロプロセッサを内蔵するおもちゃや機械は普通になったが、ネット時代には同じ内蔵でもWebサーバーを内蔵するというケースが増えてくるだろう。ビデオカメラそのものがWebサーバーになるという例もあった。今後はますますこうした傾向が高まることになるだろう。それによって、サーバーという概念そのものを認識しなおさなければならなくなるだろう。


 サーバーは固定化されたものでなく、機器ごとに組み込まれた「モバイル・サーバー」が一般的になるかもしれない。遠隔操作は必ずしも必要ないかもしれないが、ラジコンカーだけでなく実際の「インターネット・カー」でも全く同じように組み込みができるだろう。極端な話、すべての機器にサーバーが内蔵されてインターネット接続されることになる。これまではインターネット接続するにしても、クライアントとしてだけの話だった。


 ところが世の中がWeb中心になりだすと、そのデータや操作もすべてWeb中心になってくる。モバイルの場合にも、機器そのものにWebサーバーを組み込んでしまった方が効率化が望める。Webサーバーそのものは特別なものではない。OSかBIOSに近い存在になるかもしれない。かつてはWebサーバーはリアルタイム処理には決して効率のよいものとはいえなかったが、ハードウェアと無線LANの進歩によっても次第に遠隔操作の高速レースが可能になっているかもしれない。


 不景気でF1から撤退の冴えないニュースばかり目立つが、新しい車に期待されることはエコばかりでなく、こうしたインターネット・カー路線も進めてほしいものである。