iPad向け定額コンテンツ配信開始へ

 iPad向けのコンテンツとして、雑誌や新聞が月額450円で31誌も見放題のサービスをソフトバンクグループが6月1日から始めるという。iPadは買ったものの、専用コンテンツは少ないという状況が早いうちに解消されていくことになるのだろうか。

ソフトバンク、iPad向けに定額制コンテンツ配信〜月額450円で31誌が見放題(INTERNET Watch)
コンテンツ配信「ビューン」、iPadユーザーは450円で雑誌や新聞が見放題(CNET Japan)

 電子書籍といっても米国と日本では事情が異なりそうだし、特に日本での電子書籍市場の立ち上がりはまだまだこれからのことだろう。電子書籍の普及が先か、電子書籍リーダーの普及が先か、鶏が先か卵が先かのような話である。


 しかしiPad販売を手がけるソフトバンクとしては、iPadの話題がまだホットなうちに、国内のiPad購入者向けに、さっそく生活に密着した新たなコンテンツの提供に取りかかったようである。それが雑誌と新聞などの電子版の見放題のサービスである。何やら昔のテレホーダイやらパケホーダイを連想してしまった。「ヨミホーダイ」とでも呼ぶべきだろうか。文字情報という点では100冊分もの辞書が入っているとされる「電子辞書」も連想してしまう。


 ただし閲覧には期間の制限がかかるようなので、オンデマンドの文字情報ともいえるかもしれない。iPadとしては購読できる雑誌数が増えれば増える方がよいだろうが、電子版として提供する雑誌や新聞側としてはどうか。1誌(紙)あたり月10円程度にしかならないわけだから、iPadが普及して広く薄く利益を回収するしかない。その損益分岐点の電子的部数はどれだけになるのかは、まだ不明である。


 しかしいずれにしても電子書籍、電子雑誌、電子新聞などの方向に進まざるをえなくなっていることも事実であろう。テレビ番組の配信も同様であり、iPadの登場は旧来のメディアが転換していく推進力を与えたということになるかもしれない。