各府省庁にIE6からIE8への移行を推奨

 官庁のセキュリティに関連して、IE6からIE8への移行の推奨がなされているという。一瞬、えっと言いたくなるような話ではある。お役人の使っているPCはまだそんなレベルにあるのかという気がする。

内閣官房情報セキュリティセンター、各府省庁にIE6からIE8への移行を推奨(INTERNET Watch)

 IE6がまだ多数であるとすれば、OSもWindows XPのままのPCが多いということなのだろう。官庁もVista移行は奨励しなかったとみえる。果たしてOfficeは2003か2007になっているか。官庁は公文書のやりとりの中心になるだけに、文書の互換性も問題になる。民間はそれに合わせざるをえないからである。一般的には最新のバージョンは避け、互換性のために文書ファイルの形式は1つ古い世代のバージョンに合わせておくことは常ではある。現状では標準文書形式は、まだOffice 2003形式のままだろう。


 ただしブラウザを含めたソフトウェアは、現在はセキュリティ上、なるべくアップグレードしておくことが必要である。IE6の危うさはとっくに指摘されてきたことである。ただWindows XPにデフォルトでインストールされていたものをそのまま使い続けているケースは多いだろう。


 だが、それが官庁のど真ん中でもそうであるのは、やや閉口させられる。今の時代であれば官庁のようなところこそ、率先してシンクライアント化を進めているべきところだろう。したがって少なくともユーザごとにブラウザのバージョンをアップグレードしたりすることはできることではないだろう。システム管理者が常にシンクライアントを最新にしておけばいいだけの話である。現状ではそこまで行っていないようにも見える。「各府省庁においてWebアプリを利用するシステムの新規構築または更新」は、まさにシンクライアント化の話であると思いたいのだが、果たしてどうなのだろうか。