紀伊国屋書店が電子書籍販売に参入

 大手書店の紀伊国屋電子書籍販売に参入を表明した。今後、大手出版社も続々と電子書籍の出版に参入してきそうである。その先駆けとして、まず販売流通網を持つ大手書店が電子書籍販売を打ち出したというわけだろうか。

紀伊国屋書店,電子書籍販売に参入 9月にiPhone/iPad...(ITmedia)

 電子書籍販売といってもネットで手に入るわけだから、都市部と地方の格差がなくなる。もっとも現在でもAmazonとか楽天経由で、紙の書籍も宅急便で全国に1両日中くらいには届くような時代にはなっている。しかし電子書籍になれば、宅急便すらいらなくなる。むしろ読まないのに、気楽に電子書籍を買いすぎてしまわないか、という心配さえしてしまう。


 この流れは、やはりiPadの発売が引き金になっているのは確実である。そしてライバルとなるAndroidなどのタブレットPCも参入してくることに加速がつくことにもなるだろう。「5年後には電子書籍が紙の書籍の出版部数を抜く」という予測も、あながちありえないことではなくなるかもしれない。


 出版社や書店としても、ネットに押されて紙の本や雑誌が売れなくなってきている現在、電子書籍で逆にネットに討って出る方が「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」というのは言い過ぎだろうか。本を読む人が居なくなったわけではなく、売れそうな刹那的な本ばかり出版・販売する出版社と書店と読者のニーズが合わなくなってきたのが、書籍の衰退に繋がっているように思えるのだが、電子書籍ではきめ細かく読者のニーズに応えるような出版は可能になるのだろうか。