イチロー日米3500安打達成

 イチロー本人にとっては通過点に過ぎないかもしれない「日米通算3500安打」を達成した。張本氏の3085安打の日本記録を破って以来の節目への到達である。10年連続の200本安打達成も、怪我等のアクシデントでもない限り、ほぼ確実だろう。

イチロー内野安打で3500安打を達成(nikkansports)
イチロー日米3500安打も祝福演出自粛(SANSPO.COM)
記録達成のイチローにコメント続々
イチローの偉業、米メディアでも関心高まる

 ちょっと興味を引いたのは、通算4256安打の大リーグ記録を持つピート・ローズのコメントとそれに対する反応である。まず「日米通算」という見方に疑問を呈して、日本の野球が3Aレベルだからのようなことまで述べている。「日米通算」というただし書き付きながら、自分の記録を抜いて世界記録と主張されることを懸念しているのだろうか。偉大な選手の言葉だけに、何やら心の狭さを感じざるをえない。


 「日米通算」はメジャーに行った選手の日本から見た記録で功績をたたえるデータであり、メジャーの記録に組み入れろと要求しているわけではない。そんなことを言い出したら、メジャーの「ワールドシリーズ」もアメリカだけのことだけでワールドではなく、WBCこそワールドシリーズだなどという話にもなってしまう。


 さらにはピート・ローズイチローの安打のスタイルにまで言及して、内野安打が多いことまで不満を言っている。これもクリーンヒットや二塁打はいいが、バントや盗塁で生きるのは卑怯などという話にもなりかねない。バントや代走が専門のような選手だってチームでは役割をになうわけだから、何をかいわんやである。ピート・ローズには品格のあった王監督の言葉尊重すべきと思う。


 イチローの記録の凄さは言うまでもないが、残念なことはイチローの活躍がチームの勝利に繋がっていないことである。今年のマリナーズは他チーム以上に補強したという前評判だったにも拘わらず、相変わらずア・リーグ西地区の最下位に低迷している。チームの勝利と個人の記録が、全く別のところで行われているようだ。やはりWBCの時のように、プレーオフのここ一番でのイチローの安打や盗塁、そして華麗な守備を見てみたいものである。