Googleの検索オプションで高度検索

 昔は、専門家というわけではないが「商用データベース」に関連した仕事をしたことがあるので、「サーチャー」という言葉が懐かしい。JICSTだとかDIALOGだとかINSPECとかを調べた経験がある。お金のかかる世界なので、とても個人でアクセスするものではないが、それだけに効率のよい検索技術が必要とされる。
 現在は検索といえば、個人的にはすっかりGoogleだけで十分になってしまったが、高度な検索技術はGoogleでも可能なようだ。ただ日常的にはあまりシリアスな検索を必要とするわけではないから、簡単な検索に終始しているのが現実である。

検索オプション活用してスーパーサーチャーになろう?! Googleの.(INTERNET Watch)

 簡単な検索に終始してしまうのは、Google検索は「全文検索」であり、もともとの検索対象の内容が玉石混交だからである。商用データベースの方はデータの登録時点で内容が精査され、キーワードの体系=シソーラスに従ったキーワード付けがなされる。抄録もあったりして、学術論文のデータベースなども同様の構成になっている。これらをうまく検索で引き出すことができるために精密な検索が可能になるのである。


 ところがWebページの全文検索では、たとえば内容に全然関係がない広告のキーワードまでも引っかかったりするので、ある程度ラフな検索しかできないのである。結局は、開いてみたWebページを読んでみないと判断はできない。Google検索ではキーワードの組み合わせの重要さよりも、1つのキーワードに対するWebページのランキングに重要さがあるように思えるしう、実際ユーザもランキング上位のサイトに頼りがちである。しかしGoogle検索の検索オプションはそれなりに高度な検索ができるようになっている。これをそれなりに活用できる人は、Googleを利用している人でもそれほど多くはないだろう。


 ただ、単純な検索では見つからない「掘り出し物」のWebサイトかアーカイブされたWebページを見つけるために、技術を駆使した検索を行う必要がどれだけあるだろうか。Webだと、むしろ「○○に詳しいサイトを教えてください」とどこかに質問した方が、そのものズバリのWebサイトのアドレスを教えてもらえたりする。商用データベース時代の発想は、あくまでインターネットがない時代のもののような気がする。


 と、なんとなく否定的なことを言ってきたが、高度な検索技術が不要だというわけではない。たとえば電子図書館のように、かつての図書館情報もオープンになってきている。これをネットから利用して、自分の本当に求める書籍や論文を探し出したりするには、そうした高度な検索技術も必要になるだろう。それは図書館情報は、昔からきちんと体系化されてきたものだからである。ただこれまでは、それは原則的には図書館に出向いてしか利用できないものだった。それが電子図書館化によって、必要な書籍を高度に検索し、電子書籍の形で取得(借り出し?)できるような時代になるかもしれない。一般的なWebページの検索とは、やや分けて利用するものかもしれない。