SkyDrive次期版でHTML5対応か

 Windows 8の予告よりも、Microsoftについてはこちらの動向の方が注目であると思われる。それは「SkyDrive」のHTML5対応である。

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 Windows LiveWindows Azure、そしてモバイルを含むネット全体のMicrosoftの取り組みがうまくいっっているのかどうかはともかく、Googleはじめ他を圧倒している唯一のWebサービスはSkyDriveではないかと思っている。なにしろ1ユーザあたり上限25GBのストレージサービスである。Windows Liveにしろ、Office Web Appsの公開は、デスクトップ版のOffice 2010があるからではなく、SkyDriveの先行するサービスがあったからこそといえるだろう。Office 2010で作成したファイルをSkyDriceに保存しておけるからではなく、ストレージサービスとしてのSkyDriveが有用だからである。ついでにアップしておいたOffceファイルをOffice Web Appsで表示させたり、PowerPointのプレゼンに使ったりしているのである。Google Docsで読み込むよりは再現性が高いと思われるからである。


 さてそのSkyDriveが次期版でHTML5に対応したインターフェースなどを持つようになるのではないかという「噂」レベルの話がある。これはSkyDriveの話に留まらず、IEHTML5対応にも関連する。現在IE9が公開されているが、やはり本格対応はIE10になりそうである。それを推進する効果がある。そしてWindows 8の戦略にも関わる話になるので、Microsoftとしては現状では公式なアナウンスはしていない。もちろんWindows Phoneのシェア獲得に繋げたい意図もある。


 ただ、とにかく早く宣伝したいバルマーCEOと開発現場の現状とは必ずしも息は合っていないようだ。株主からはこれまでのネット戦略がうまくいっていないとバルマーCEOが突き上げられてもいるようである。しかしビル・ゲイツ時代とは違う。かつてのMicrosoftのように何でも独占して、GoogleFacebookの勃興を防げたとは思えない。バルマーCEOは本来ゲイツ時代の人であり、Googleのペイジ氏やFacebookのザッカーパーク氏とは世代も違う。かといってジョブズ氏のような時代を読むカリスマ性があったわけでもない。


 ともあれSkyDriveに関連して、ブラウザを含めHTML5対応していけば、クラウドが進展することも意味する。それが必ずしもWindowsとOfficeの既得権益の維持に繋がらないところにMicrosoftの悩みがあるのであろう。