SMSが携帯各社間で可能に

 なんだか今さらという感である。国内でSMSが各キャリア間で送受信可能になるという。このタイミングで、どんなメリットがあるのだろうか。

SMSが携帯各社間で送受信可能に 7月13日から(ITmedia)

 日本でSMSが流行らなかったのは、携帯キャリアの事情があったようだ。これは日本のケータイのガラパゴス化の1つだと思っている。国内的にはiモードなどのインターネットメールが普及してしまったために、SMSを使う必要がなくなったといえる。それでもケータイのメニューを見ると、一応SMSの機能はあることになっている。ところがキャリア同士では非互換であったらしい。それに1通あたりの料金も馬鹿にならない。初めからSMSを普及させる気はなかったとしか思えない。


 国内ではそれでいいのだろうが、いったん海外の人とケータイでやりとりしようとすると、ハタと困ることになる。あちらではショートメールは直接電話番号でのSMSを使う方が一般的だからである。そうなると、こちらはインターネットメールから、どこかでSMSとの交換サービスを利用して送るしかないことになる。やはりどこか、これまで国際標準ではなかったのである。


 そして今でこそ国内でもTwitterが普及しているが、Twitterの元祖はSMSである。なぜ140文字の字数制限がある短文のサービスがこれだけ流行したか。それは少なくとも海外ではSMSの文化があったからである。140文字という数もSMSの160文字−20文字になっているのである。日本はといえば、「ポケベル」から携帯インターネットメールへといきなり移行したからである。おそらく、日本の方が携帯では進歩しているとの自負があったのだろう。


 しかしスマートフォンの時代になりつつあり、日本はもっと国際化が迫られる状況になっている。こうした中で、各キャリアが勝手にやっていたSMSも、今さらながら標準化せざるをえなくなったのではないだろうか。Twitterなどが普及してきて、初めてそうしたことに気づいた人も増えたのかもしれない。案外、秘密の通信には重宝されることになるかもしれない。