Firefox 5 正式版がリリース

 3月にFirefox 4の正式版がリリースされたと思ったら、もうFirefox 5の正式版がリリースされた。リリースサイクルを今後は6週間程度とするという。

Mozilla、「Firefox 5」の正式版をリリース ..(ITmedia)
Firefox 5、正式リリース - CSS Animations対応、短期リリース..(マイコミジャーナル)

 これまでFirefoxは、ゆっくりと改良を重ねてきたイメージだったが、Google Chromeが登場してからそうもいかなくなってきたようだ。メジャーバージョンアップが速く、すでに12である。またMicrosoftも、IE6以来の重い腰を上げ、ここ数年でIE7、IE8、IE9とバージョンアップを重ねてきた。


 バージョン番号は単なるソフトウェアのネーミングの一部に過ぎないとはいうものの、やはりバージョン番号が大きいほど、改良が深く何か新しくなったイメージを与えてしまうだけに、ライバルのバージョン番号が進んでいるのに対抗したように見える。年末にはFirefox 9になっている予定だという。


 バージョンアップはアップデート作業が煩わしいこともあるが、何が新しくなったのかもわかりにくくなっている。大きくはHTML5とCSS3対応なのだろうが、いかんせん世の中のWebページは、まだHTML5とCSS3が中心ではないから効果ははっきりしない。またセキュリティの対応は、何事もトラブルがなければ、よけいにわからないことである。


 ともあれFirefoxのバージョンアップの加速は、それだけブラウザの主導権争いが加熱してきていることを示しているのだろう。Google Chromeへの期待は、本来はFirefoxへの期待だったはずだが、遅々として進まなかったので、Googleがしびれを切らして自ら開発してリリースしたという話もあっただけに、Googleをスポンサーとして成り立っているMozillaとしては、いよいよ尻に火が付いてきたのかもしれない。ぐずぐずしていると、かつてのNetscapeのような運命にもなりかねない。この短期間のうちにどれだけリニューアルされるか、とりあえずは注目しておこう。