SkypeのWindows Liveとの統合はどうなる

 実質的な無料電話としてSkypeを使うケースは多い。特に携帯電話が役に立たなかった震災以降は、国内でもしばしば使うようになった。そしてMicrosoftによるSkype買収で両者は今後どのような形の統合サービスに向かうのか。

Microsoftとのプロダクトの統合は「当然」―(ITmedia)

 直接的にはSkypeWindows Live Messengerの相互接続が直近の課題であるという。サービス内容がダブっているともいえるので、次第にSkypeの方を主力にするようになるだろう。かつてのGoogle Videoと買収したYouTubeの関係に似ているかもしれない。しばらくは併用したもののYouTubeの方がユーザは圧倒的で、Google Videoは新規のビデオ投稿を受け付けなくなり、既存のコンテンツの保持とGoogle Apps内部の利用に限定されていった。MicrosoftSkypeは外部向け、Windows Live Messengerは内部向けと利用範囲が縮小されていくかもしれない。


 Windows Live全体のWebサービスとの関係で考えたとき、Skypeの完全なWeb化が必要になってくるのではないか。提携するFacebookは初めからWebサービスとして膨大なユーザを抱えているからWebサービス同士での連携は容易だろうが、SkypeP2Pであるし、Webサービスとの連携、すなわち埋め込みをどうしていくのだろうか。SkyDriveやOffice Web Appsと並ぶWindows Liveのサービスの形にはなりにくいように見える。かといって、ブログのWordPressのように完全に外部サービスのようになってしまうのでは、確かに買収した意味があまりないように見える。これはeBayがそうであったと思える。


 Microsoft-Skypeのラインは、Googleに対してなどより、NTTにとって脅威になりそうである。特に遠距離の固定電話が格安になるので、ますます既存の固定電話が実質的に不要になりそうだからである。電話というより、ネットの中の音声データのパケットの通信の一部に過ぎなくなるからである。