HPがwebOSをオープンソース化

 もともとPDAで一世を風靡したPalm OSをHPが買収して、タブレット用OSとして生まれ変わらせようとしたのがwebOSだった。しかしようやくwebOS搭載のタブレットが販売されたかと思ったら、短期間に開発打ち切りになってしまった。タブレットばかりでなく、HPのPCハードウェア事業全体が斜陽化しつつあることが原因でもあったようだ。

HP、webOSをオープンソース化 タブレット製造の可能性も(ITmedia)

 そのwebOSの今後がどうなるかと思われていたが、HPはオープンソース化することにしたようだ。果たしてAndroidのように、HP以外にもタブレット用OSに採用するメーカーは現れるのだろうか。HPだけならオープンソース化する意味がないからである。


 HPはタブレット用OSについては、WindowsとwebOSの2本立てだった。Windowsに関してはMicrosoftのハードウェアのパートナーとしてであり、webOSに関しては独自戦略のものであったが、わざわざ買収してまで期待された後者は早々と見限ってしまった。やはりiPadAndroidタブレットには市場的に難しいという判断だったのだろう。もはやPDAPalmからの移行ユーザは期待できないが、Windowsに関しては、Windows PCからの移行ユーザがまだ期待できるというところだろうか。


 いくら優秀なOSだったとしても、それをプラットフォームとする固定的なハードウェアが存在しなければ普及はしない。それは過去のPCにおいても証明されている。話題にはなったが陽の目を見ずに消えていったOSは多い。PDAの時代には注目していたPalmがベースになっているだけに、その歴史に終止符が打たれるのは残念な気もする。オープンソース化によって、思わぬ用途が表れ、展開することがあることを期待したいものである。