Windows 8 は SkyDrive が中心

 Windows 8の話がそろそろ聞かれてくるのだが、OSそのものよりもネットとの連携がどういう形になってくるかに関心が高い。Windows Phoneとの関係、タブレットでのWindows 8環境などにも影響してくるだろう。しかし現状のWindows Liveのサービスの中で、やはり一番役に立っているのはSkyDriveである。これがWindows 8とどう連携してくるのか。

Microsoft、Windows 8でのSkyDrive利用について説明(ITmedia)
MS、次期「SkyDrive」の内容を明らかに--..(CNET Japan)
Connecting your apps, ... with SkyDrive and Windows 8(Building Windows 8)

 SkyDriveは当初は25GBもの上限の容量の大きい単なるストレージサービスだったが、Office 10とともに登場したOffice Web Appsとの連携を前面に出すものとなった。デスクトップで作成したOfficeファイルをとりあえずSkyDriveに保存しておけば、どこからでもそれを閲覧したり、ファイル共有したり、簡単な編集を加えることができるようになった。外出先からPCを利用したような場合、そのPCにOfficeがインストールされていなくてもプレゼンテーションや編集作業を行うことができるメリットがあった。そこではWebでの作業なので、WindowsやOfficeのバージョンなどはあまり問題とならない。


 Windows 8が何を売りにするのかと考えれば、もはやOS単独の余分な機能は期待されないだろう。いかにネットをスムースに利用できる環境を提供できるようにするかになるだろう。基本的にそれはブラウザのIEの機能の話であって、OSは前面には出ない。そこで人気の高いSkyDriveをWindowsそのものからも利用するのが便利なような機能を付加していくようだ。それが「MetroスタイルのSkyDriveアプリ」ということのようだ。IEから操作できるだけでなく、タブレットのように様々なアプリからも自由にSkyDriveにアクセス可能にしていくようだ。あたかもSkyDrive中心にWindows 8は回っていくことになるかもしれない。


 その一環として、デスクトップの「エクスプローラー」からも直接SkyDriveにあたかもフォルダの1つのように操作できるようになるという。この話で、もう15年くらい前になるか、確かOffice 97のファイル保存機能で、[名前を付けて保存]の保存先にFTPサーバーを指定できることがあったのを思い出した。当時はローカルのファイル保存とFTPでのファイルアップロードを同じメニューに入れてしまうのは、とんでもない話のように思えた。それにWordくらいしか知らない人ににとっては、実際どこにファイルが保存されることになるのか、全くわからないことになるからであった。そうしてOfficeからはFTPサーバーとの接続がうまくいかなかったり、またWebDAVなどもも認証がうまくいかなかったりで、結局Windows環境ではこれらは流行らなかったといえる。


 時代が変わり、FTPサーバーでもWebDAVでもないが、Windowsの画面の見かけ上は似たような状況が復活する。ファイルを保存するといっても、特定FTPサーバーにもWebサーバーにも保存されるわけではなく、背景はクラウドであり、かつてとネットの状況は大きく異なる。どこに保存されるかは、ユーザは全く意識する必要もないし意味もなくなった。だが、いつか見た画面なのである。そもそも「エクスプローラー」はローカルのPCとネットの中のファイルやフォルダの操作の「統合」を目指していたものだったからかもしれない。その是非はともかく、これまですべてはブラウザに集約していっていネットへのアクセスを再びデスクトップに引き戻そうとするように見える。というより、タブレット画面がそうであるように、もはやデスクトップそのものがネットのアプリの画面とならなければならないのだろう。