MicrosoftによるGoogle批判

 いつものこととはいえ、最近MicrosoftによるGoogle批判が目立つ。実際的な特許訴訟であったり、ポリシーや企業姿勢に対するものまである。「お前が言うな」という面もあるが、背景はどうなのだろうか。

Microsoft、GoogleとMotorolaを独禁法違反で..(ITmedia)
GoogleのMotorola買収、欧州委員会が承認(2.14)
GoogleのMotorola買収、EUに続き米司法省も承認(2.14)
MicrosoftがまたGoogle批判ビデオを公開 今度の標的は..(2.22)
MicrosoftがGoogle批判の新聞広告 Googleは反論(2.2)
Google、IEでもプライバシー設定迂回―Microsoftが明らかに

 特許に関しては、Motorolaとのモバイルに関連にした技術に関する訴訟合戦だが、同時に買収したGoogleも批判している形である。欧州委員会と米国司法省が買収を承認したタイミングに訴訟を拡大させた形である。もっともGoogleMotorola Mobileを買収した最大の理由が、Androidを進める上での特許対策にあるとされている。Microsoftの直接的な訴訟内容が、スマートフォンにおけるH.264に関連する特許料というのはある意味皮肉な話ではある。PCの動画ではMicrosoftH.264を支持し、Googleはライセンスに縛られないWebMを標準化しようとしているからである。


 Googleの企業イメージを落とそうとしているかのように見えるのは、相次ぐ新聞広告やビデオによる批判である。プライバシーポリシーであったりGoogle Appsに対するものだったり、批判できるものであれば何でもいいかのようである。だからMicrosoftWindows Liveを使うべきだ、という主張はあまりにも短絡的ではある。何やら米国の大統領選のライバルに対するネガティブキャンペーンを見るようでもある。独禁法で訴訟されることは、かつてはMicrosoftのオハコみたいなものだったが、今はGoogle独禁法絡みで訴訟する立場に回っている。



Google批判ビデオ Googlighting


 ユーザにとっては大手同士の訴訟合戦は「犬も食わない」ものであるのは、互いに開発や普及を遅らせようとする目的であることが見え透いているからである。オープンソースが当たり前になった時代では、特定メーカーの「信者」でもなければ、なるべく都合のよいものをうまく組み合わせて利用したいと思うのが常である。そうしたユーザの足を引っ張る争いになってほしくはないものである。