Thunderbirdの開発が事実上終了へ

 MozillaのメールクライアントThunderbirdが事実上の開発終了になるという。自分も最近はThunderbirdやメールクライアントそのものに、ほとんどログインすることさえなくなっているが、これも時代の流れといえそうだ。

Thunderbirdの開発、事実上終了へ ソフトの提供・修正..(ITmedia)

 GmailはじめWebメールが標準化した現在では、わざわざデスクトップのメールクライアントを立ち上げる必要すらなくなった。個人的に契約しているプロバイダのメールも直接Gmailからアクセスできるので、ログインする必要もなく何年も経過している。Thunderbirdは良いソフトだとは思うが、Web全盛の時代から必要なくなったというところである。自分はそうなのだが、やはり世の中全般にもそのようで、Thunderbirdも新規の機能の開発する意味がなくなったのだろう。


 LANやインターネットはメールから始めたようなものだから、いろいろな思いはある。ネットの使い方はメールからというわけで、まずはメールクライアントにSMTPサーバー、POP3やらIMAPサーバーを設定、ID名やメールアドレスの記述して、受信・送信のテスト、そして署名やらメールのマナーなどと人に教えたりもした。Microsoft Outlook以前のMicrosoft Mail、Netscapeメールからやったことがある。Webなんてまだ眉唾もの、ネットで確実なものはメールなどと堂々といわれていた。


 そのうちフリーのWebメールが出現してきたが、しょせん捨てアド扱いのものが多かったように思える。正規のメールはちゃんとしたメールクライアントでというわけである。もう5〜6年前くらいにGmailの日本語版が登録できるようになってから情勢が変わってきた。確か公開された当日のうちにアカンウント登録したと思ったが、それ以後主要メールはGmailに代わった。それは職場環境でも同様である。近年で自分がやった大きなメールの設定作業といえば、Google Apps独自ドメイン名のメール登録のために、DNSのMXレコードにGmailのサーバーを登録したことくらいである。


 それでもセキュリティのことが言われる際には、メールサーバーは自社内に置かなければ危険、みたいなことも言われていた。ところがクラウドスマートフォン、震災などの災害への対応などが問題にされるとき、そのことすらあまり言われなくなった。元々メールサービスそのものが、クラウド的なものだったと言えるだろう。


 そしてメールクライアントそのものというより、メールそのものがWebサービスの中では重要でなくなっている。twitterFacebookしかり、GmailさえもGoogle+の方へとシフトさせたがっている。こういう背景の中で、Thunderbirdに代表されるメールクライアントは歴史的役割を終えたといってもよいのだろう。それはインターネットの進化といってもよいのかもしれない。