Google Waveの開発状況

 Goolgeナントカで期待されるものの1つだが、いまだに実態が明らかではないものがGoogle Waveである。Google Voiceが電話や携帯のコミュニケーションを変革をする可能性があるならば、Google Waveの方はネットのコミュニケーションツールの未来型になる可能性がある。「Google Waveとは何か」と「Googleの奴隷になるのか」とで、覚書きのつもりで採り上げたが、いまだにイメージがはっきりしない。

「Google Wave」の開発状況--現在の完成度を探る(CNET Japan)

 開発者ブレビュー版でテストが進んでいるとはいえ、約25%がクラッシュする状態だという。このレベルで公開を始めているということ自体が、ある意味すごいともいえる。有償ソフトウェアの開発ならこうはいかないだろう。開発段階からより多くのフィードバックを得るためだというが、単にソフトウェアのバグ探しだけでなく、ソフトウェアのコンセプトや利用方法から開発者の意見を取り入れたいようである。この段階から、こうした大胆な開発手法を取り入れられるのもGoogleならではあろう。Googleならではの注目度のもとに開発者を募り、フィードバックを得ながら大きな方向性が決まっていくことになるかもしれない。


 一部の開発者だけが独善的に作ったものが、多くの開発者やユーザに受けいれられるとは限らない。出してみたら不評をかこったので、それを踏まえて次期バージョンでは改良をする、などという従来の手法では、それだけで数年のスパンはかかってしまうだろう。そうであれば、ドラフト段階でどんどん公開して最初のバージョンから(といってもβバージョンとなろうが)、フォードバックを十分に取り入れていた方が、結果的には目標とするソフトウェアの開発が早くなるということになるかもしれない。


 今回のGoole Waveに対する期待は、もはやツールとしては限界にきていると思える電子メールに代わる新しい姿のコミュニケーションツールとなりうるかということと、あのGoogle Mapsの開発者のことだから、また何か新たなことをやってくれるのではないかという野次馬的なものがある。それに加えて、ソフトウェア開発のやり方にも一石を投じるのではないかということがあるようだ。開発とかプログラミングというと、気難しい一家言のある人ばかりの世界を自分はイメージしてしまうのだが、より自由な形の未来を目指すような開発のあり方のようなものを期待する。現実はそう甘くはないであろうが。