クラウドはパブリックとプライベートの融合が理想

 クラウドといっても、GoogleAmazonなどの大手5社くらいしか残らないのではないかと言われてきたパブリッククラウドと、企業内部などのプライベートクラウドの流れがある。Oracleに言わせると両者を融合した形が理想的だという。当初はあまりクラウドを相手にしていなかったOracleだが、Sunを買収したあたりから発想が変わってきたのかもしれない。

「クラウドはパブリックとプライベートを融合して利用するのが理想的」 (CNET Japan)
Oracle、クラウド版Open Office「Oracle Cloud Office」を発表(ITmedia)

 Oracleの方針というより、世の中の主流がクラウドになるとすれば世界のネットワークが大手5社程度に集約されてしまうという予測は、あまりにも単純すぎる発想ではあるだろう。組織内部のネットワークからみれば、これはネットワークの再編の時期が訪れているとみることもできる。ちょうどインターネット勃興期に外部インターネットとイントラネットが出現してきた状況に似ている。それらはシームレスに接続できなければならないとされた。外部インターネットはパブリッククラウドに再編されていき、イントラネットに相当するネットワークはプライベートクラウドへの再編が求められているのが現在の状況なのかもしれない。


 Oracleにすれば、イントラネット内のデータベースサーバーを提供してきたわけで、今さらGoogleAmazonと同じようなことはできない。確かラリー・エリソンは当初「クラウドなど我々はとっくの昔からやっている」とせせら笑っていた。なんとピントはずれなことを言うものだと思えたが、データベースサーバーはもともとクラウド的なものではある。ただSunそのものは業績が傾かなければ、クラウドの5社の1つに入る可能性は十分あるだけの技術力を持っていた。その資産を丸ごと買収したことによって、クラウドに対する認識も変わってきたことも確かだろう。今後はデータベースサーバーを中核として、企業内プライベートクラウドを整備、サボートするだけの力を持ったといえるからだろう。


 となれば、後はGoogleAmazonなどのパブリッククラウドとのシームレスな接続が問題になるだけである。これがかつての外部インターネットとイントラネットの接続に相当する話になり、プライベートクラウドの売り込みの1つのセールスポイントにもなるだろう。