Googleのラリー・ペイジ氏がCEOに

 Googleは10年ばかり創業者の2人とエリック・シュミットCEO兼会長のトロイカ体制が続いていたが、今回ラリー・ペイジ氏がCEOに復帰し、シュミット氏は会長職に専念することを発表した。

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グーグルの体制変更--....シュミット氏の今後
Google、ラリー・ペイジ氏のCEO就任を発表..(ITmedia)
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 Googleは起業当時はペイジ氏がCEOを務めていたが、従業員が200人ほどになったところで外部からシュミット氏をCEOとして招聘し現在に至っている。シュミット氏によれば、これは「大人による監視」であったという。実際大企業ともなれば、対外的交渉どころか、米国を代表する企業としての政治的交渉の能力も必要とされる。どちらかといえば技術的問題や製品戦略に専念したい創業者の2人にとっては、シュミット氏のような存在はGoogleが経営面で大企業になる過程では、ぜひとも必要な人材だったと言えるだろう。


 そのシュミット氏といえば、もともとはパロアルト研究所に始まり、ベル研究所ザイログ社を経て、Sunに参加してCEOにまで昇っている。さらにNovellのCEOとなり、その後Googleに招聘されている。シュミット氏の経歴を見れば、Googleにとっては、この時点ではMicrosoftに対抗するためには、うってつけの人材ではなかったかという気がする。考えてみれば、ビル・ゲイツ氏やスティーブ・ジョブズ氏とも同じ年代であり、対等に話ができる人間でもあった。会長職専念とはいえ、ますます政治的な交渉、発言が重きをなす立場になってくるだろう。近いところでは、Googleの中国撤退という問題があった。3人の中でも意見が割れたというが、もはやGoogle内部だけの問題に留まらないほどの影響を与えることになるを示した例だといえるだろう。


 ラリー・ペイジ氏はやはり技術畑出身であり、Google検索のアルゴリズムPageRankは、文字通りWebページのランキングを行うものだが、彼の名前に由来して命名されたものである。CEOに復帰とはいえ、10年前の立場とは大きく異なっている。創業時代からの主要な社員も入れ替わっているし、相手はMicrosoftばかりではなく、新興のFacebookGrouponといった20代の経営者を擁する企業とも対抗する必要が出てきている。若い相手には、若さでの対抗の必要というわけである。それでも時代の寵児となっているFacebookザッカーバーグ氏とは、年代的には一回りも違っている。



 どちらかといえば現在はGoogleに対して、FacebookMicrosoftの連合軍が対峙しようとしている。現世代のGoogleが、旧世代のMicrosoft新生代Facebookに挟撃を受けている形と見ることもできるかもしれない。主戦場はGoogleが苦手としているSNSの舞台となりそうである。MicrosoftはそこにWebのOfficeを絡めて、クラウドGoogleに対抗しようとしている図式である。単なる人の都合による人事異動ではなく、そうした背景のネットの情勢が影響しているようである。