GoogleとFacebookのIDから米Yahoo!にログイン可能に
個人的にはYahoo!には関心を失っているのだが、米Yahoo!ではGoogleとFacebookのIDでもログイン可能になるということには注意を引いた。Yahoo!IDがなくてもログインできるとのことなので便利には違いないが、何となく現在のYahoo!の、GoogleやFacebookに対するポジションを示すものに見えてしまう。
米Yahoo!、GoogleとFacebookのIDでログイン可能に(ITmedia)
OpenIDによって、複数のWebサイトを共通のIDでログインできるようになったことは、Webサービスの連携を利用するような場合には特に便利である。裏を返せば、Webサービスを提供する側は、見るだけのユーザがいることは重要だが、まずログインしてもらわなければ始まらないともいえる。ログインして利用できるWebサービスで、アクセス数的に現在最も勢いのあるものとしては、Facebook、Twitter、Google、かろうじてMicrosoftというところだろうか。Webサービスの老舗といえるYahoo!は斜陽になりつつあるようにも思える。検索部門はBingに譲り渡し、メールやブログなどもぱっとしない。Yahoo!がというより、他のWebサービスに魅力的なものが増えた結果といえるだろう。現時点では、メールはGmail、ブログはWordPress、ストレージサービスならSkyDrive、ショッピンングならAmazon、そしてSNSならFacebook、Twitterというところか。
国内的にはYahoo!Japanは、米国では撤退したYahoo!オークションがあったり、検索はGoogleと提携したりでるのでがやや特異的で別で、これは米Yahoo!中心の話になるだろう。これまでもyahoo.comではログインできるがyahoo.co.jpのIDではログインできないWebサービスもあった。Web写真アルバムサイトのFlickrなどもそうである。そんなこともあったので、yahoo.comのIDはyahoo.co.jpのIDとは別に登録して持っている。Yahoo!のWebサービスの利用そのものよりも、OpenID用としてのYahoo!IDである。
ところが今回、Yahoo!に対して、GoogleとFacebookのIDから入れるようになるという。どうもGoogleとFacebookのアクセス率の高さを当て込んでいるように思えてしまう。まず最初にログインするIDで様々なWebサービスがログイン利用が可能になるのが一番便利なわけだが、その最初のIDがGoogleやFacebookであることを認めてしまったように見える。GoogleやFacebookを利用するついでにYahoo!にもアクセスしてくださいというわけだ。
かつては「ポータルサイト」として、いわばインターネットの玄関の役割を自負していたわけだが、現在はそれが他にとって代わられたというより、「ポータルサイト」という発想そのものが古くなったように思える。とりあえずWebにアクセスして「さあ、どこを見に行こうか」というネットサーフォン(これも死語になりつつあるか)の時代ではなくなり、FacebookやTwitterにようにアクセス先が、はっきりするようになったからである。