計画停電打ち切り、夏も原則実施せず

 本当に大丈夫なのかと思ってしまうが、計画停電の打ち切りと、夏に向けても原則実施しない方針が発表された。根本的な電力供給能力が改善されたわけでもないのに、これはどういうことだろうか。

東京電力、計画停電打ち切り 政府、夏も「原則実施しない」方針(ITmedia)

 実質2週間ほどの計画停電を経験したわけだが、東京23区を除く関東圏のダメージは結構大きかったのではないだろうか。単純に1日数時間だけの業務の停止、休業のみならず、実質業務の予定が立たなくなるケースも多かっただろう。電気がなければ生命にも関わるという切迫したケースでなくとも、経済には確実にダメージを与えた。スーパーに入荷がなかなかないものも、計画停電が影響しているものも少なくないようだ。


 計画停電が今後行われないとすると、変わって徹底した節電が行われることになるが、業務上どこに節電の影響が出てくるかはまだ不透明である。職場では徹底した節電の手順が示されることになるだろう。時間のシフトもありうるだろう。いかに生産性を落とさずに節電を実行するかという難しい問題を突き付けられる。企業によっては生産拠点を関西や海外に移したりということもありうるだろう。ある意味、相当厳しい経営の最適化問題でもある。


 一般家庭の節電は、停電に比べれば、心がけでなんとかなるレベルなのではないだろうか。とはいえ、政府としては、日本人の公共性に期待するところなのだろう。家庭の規模にもよるだろうが、20%節電というのが、どの程度の我慢で実現できるものか、指針が示されることになるだろう。エアコンの設定温度などもあるが、夕方ピーク時になるべく大きな家電の使用を控えることが積み重なればよいのかもしれない。今年に限っていえば、昨年のような猛暑が来ないでほしいものだ。