震災関連情報へのアクセス急増

 震災直後は、震災に関連するキーワードを含んでいるだけで、このブログでさえ異常にアクセス数が増えたということを書いたが、これはネット全体での傾向で、いかにネットユーザが自分の生活にも直結する「情報」を求めていたかがうかがい知れる。

TogetterやUstream、まちBBSのユーザー数急増(ITmedia)

 地震津波被害を受けた地域の情報、原発危機の状況、物資の不足の状況、そして計画停電の予定と、毎日状況が変わる中で、正確な情報を求めようとしていた。自分もそうだった。速いのはtwitterUstreamで、そのリアルタイム情報の強さを実感したものだ。


 テレビは限られたシーンばかりをセンセーショナルに伝えるだけで、あとは延々と専門家と称する人の「解説」とスタジオに居るだけの人の「批評」で、そのうちまともには見る気がしなくなった。テレビ側はネット情報が「風評被害」の元になっているようなことを言っているが、風評被害の心理的ベースを作っているのは明らかにマスコミの方である。


 震災直後にまず求めた情報は被災地の人の安否情報である。電話も通じないから、これには現地からの確実な情報が必要だったわけである。そのうちGoogle Person Finderのようなものが現れ、ダイレクトに調べることができるようになった。自分も遠縁の親戚の名前を避難場所に見つけることができた。


 計画停電は突然に始まったので、これを正確に知りたいとするアクセスは圧倒的に増えた。何しろ東京電力のサイトのPDFファイルを見ろだけでは、お粗末だった。知らないうちにいきなり停電させられて、社会不安を増す要因ともなった。電力会社のサイトへのアクセスが増えたのは当然だが、他はなるべく自分の地域に関するローカルな情報を求めていたのである。被災地に近い人にとっては、関東圏の混乱している状況や原発の現状には関心がない(それどころではない)し、関東圏の人にとっては、放射線の影響と計画停電の情報が差し迫ったものだったわけである。


 結局、多くのユーザは複数のソースから関連情報を入手して、自分の場所の状況を把握することに努めたのだろう。現在のネット時代ならではのことで、まちBBSなどへのアクセス数の急増に表れていると思われる。その頃テレビではさかんに「買占めはしないでください」「風評被害に惑わされないように」「ただちには健康に影響はありません」ばかりを連呼していた。何かズレていると感じていたのは、自分だけではないだろう。