Office Web AppsのWordで共同編集が可能に

 MicrosoftのOffice Web AppsのWordでも共同編集機能が加わったという。Google Docsにはすでにあった機能だが、Office 2010のすべてで可能になったことに意味がありそうだ。

Microsoft、Office Web Apps版のWordでも共同編集..(ITmedia)
Google Docs刷新 リアルタイム共同編集機能を搭載(2010.4.13)

 Web版のOfficeであるOffice Web Appsの成り行きには、Microsftのクラウドの先行きがかかっている。Googleに譲れない部分はまさにここである。WebサービスではGoogle Docsが先行しているが、Microsoftとしては有償でデスクトップ版のOfficeを維持しながらWeb版でもGoogle Docsに対抗していかなければならない。特にクラウドでもOffice 365のように、プライベートクラウドの導入をめぐってはOfficeがカギとなりそうだ。企業の業務ではOfficeが中心となっているからである。


 これまではデスクトップ版のOffice文書をWeb版に読み込んでの、元のOffice文書の再現性、互換性が重視されてきた。Web版はどうしても機能が少ないだけに、読み込んだOffice文書が少なくても正確に閲覧はできなければならない。Google Docsとはその正確性で差をつけようとしてきたわけである。Google Docsの方は、それよりもラフな文書のままでも、ネットでの文書の共有、コラボレーションに力を入れてきたといえる。簡単に文書の共有ができることから、遠く離れた共同編集者ともリアルタイムで1つの文書を作成することができることが、最大の売りだったわけである。


 Office Web Appsでもようやく同じように共同編集できるようになったことは大きい。そしてWeb同士ばかりでなく、デスクトップ版のOffice 2010との間でも共同編集できることが、Google Docsにはないことだろう。Office Web Appsを利用しない人ととも共同編集できるからである。そうすれば、たとえばラフな文書はOffice Web Apps側の人が作成し、その清書やレイアウト、装飾といったことは、フル機能を持つデスクトップ版のOffice側の人が行う、といった共同編集も可能になるだろう。


 何より実務系では、まだまだOfficeが重要であることは確かだが、クラウドへの移行でもやはりそれがキーの1つになることは間違いがない。そこにSNSやコラボレーションツールが絡んでくるので、本当にWeb環境が主流になった場合に、どういう形がスタンダードになるのか、まだわからない。