スパコン「京」は世界2位に後退

 今年のスパコンランキングでは、「2位じゃだめなんですか」の文字通り、前年首位だった日本の「京」は2位に後退した。トップは米IBMの「Sequoia」になった。米IBMはベスト10に5機、6位のCrayの「Jaguar」と合わせて米国製が6機入る結果となった。

スパコン「京」が世界2位に 最速はIBM「Sequoia」(ITmedia)

 コア数に注目すると「Sequoia」は約157万コアで「京」は約70万コア、ベンチマークで16.32ペタフロップスは昨年んの「京」の10.51ペタフロップスの約1.55倍であるという。単純な比較はできないものの圧倒的なコア数を誇る「Sequoia」の前に首位を明け渡したというところか。1位、2位というよりベスト10に5機も入っているIBMの層の厚さ、底力が凄い。日本の「京」理化学研究所が音頭を取っているとはいえ、元は富士通NEC、日立が参画したが不況でNEC、日立が撤退、補助金の予算削減もありながら、ようやく富士通が完成させたものだから、これで精一杯というところだ。昔であれば、御三家のスパコンがそれぞれ上位に登場してきても不思議ではなかったが、今や昔のことか。


 スパコンランキングの上位を見ると、やはり先進国と中国の名前で占められる。国力を示す象徴の1つとしても見ることができるのかもしれない。GDPみたいなもので、2位とはいうものの、かろうじて上位に踏み留まっているだけかもしれない。日本経済の上向きとともに再びスパコンも上位に来る機種が増えるかもしれないが、当面の先行きは暗い。スパコンそのものがビジネスに直結しているわけでもない。だからといって、簡単に開発を切り捨て、消費税や電気料金は安易に値上げ(という感がしなくもない)という風潮もおかしな方向性だとも思える。