ネット流行語大賞2007

 2007年のネット流行語大賞が発表された。といっても、ひろゆき氏が主催するところだからほとんど「2ちゃんねる流行語大賞」である。それだけ2ちゃんねるのネットにおける影響力が大きいということかもしれない。最近ではイギリスの新国旗のアイデア募集に2ちゃんねらの作品が取り上げられたということもそれを反映しているかもしれない。ちょっといくつかの言葉を見てみよう。

ネット流行語大賞に「アサヒる」(ITmedia)

 トップがアサヒるだが、ネットでのマスコミを揶揄する言葉が流行ったものと思われる。昔はマスコミが世論だと言ったことが世論になるという風潮だったが、ネットとという声なき声を発するのが自由の場が存在するようになった現在では、マスコミの驕りにも陰りが出てきたといえるのかもしれない。朝日新聞もそうだが、大連立構想の騒動のときの讀賣新聞の社説も、とても政治的中立とは言えないものだった。


 3位の「ゆとり」は、すっかり「ゆとり教育」は政府から一般国民までネガティブなイメージとされてしまったということだろう。すっかり「厨房」と同義になってしまった感がある。政府自ら否定してしまった、旧文部省が推進してきた「ゆとり」「生きる力」とはいったい何だったのかという思いがする。文部科学省はカリキュラムの時間数ばかりを問題にしているようだが、それが本質的な問題ではないように思える。


 ニコニコ動画はそのものズバリで、YouTubeがネット上でもっとも話題になったことと、国内的には特に若い世代中心に2ちゃんねる的に動画にイタズラ書きをできる感覚がうけたものと思われる。今後はお遊び的な部分だけでなく、YouTubeとはどういうふうに異なった路線に行くのかという注目はあると思う。


 その他ではアベする」「オザワる」「KY」などの言葉は2ちゃんねる内だけでなく、世間的にも使われているかもしれない。昔は「エガワる」という言葉もあった。KYなどの略語はDQNQBK(急にボールが来たから)のようなものか。多くの人が集合する場で、トンチンカンな言動をしている身内の人間に、そっと「KY」の文字を示したりささやくのは効果があるかもしれない。人が多い雰囲気の中で本人は舞い上がって周囲の状況が見えなくなっていることはあるから、少し冷静さを取り戻させるのである。


 用語ではないが今年の衝撃発言?としては、麻生前大臣の「2ちゃんねる?ときどき書き込んでいますよ」だろう。単に漫画も読むという麻生氏のキャラというだけでなく、政治家にまでネットへの影響が及びつつあるという表れなのかもしれない。世代が進行していくにつれ、この傾向は強まっていくだろう。