PCのアイドルタイムのCO2排出量

 なんとなく有難いような、有難くないようなツールがhpから出ている。PCのアイドル時間中のCO2排出量から、環境貢献度を示すという。それによって、一般ユーザのPCのアイドル時間の短縮を呼びかけるものである。

PCのアイドルタイムからCO2排出量などを算出できるウィジェット(INTERNET Watch)

 これはhpの「この木、何の木、気になる木」ではないが、環境のイメージと鳥のさえずりが聞こえるサイトのページからダウンロードできる。現在のところ、英語、中国語、日本語、スペイン語、ポルトガル語WindowsMacのバージョンがある。



Power to Change のサイト


 インターネットらしく、Power to Changeのサイトに参加者からの毎日のデータが国別、世界のデータが連動して反映されて表示される。全くPCに電源を入れなければ貢献度は100%のはずなのだが、それは全くPCで活動していないか、PCが普及していないことを意味する。先進国ではどんどん「貢献度」は下がっていることになる。


 それにしても、一般ユーザのPCによるCO2排出量などは、たとえば他の電化製品や車などに比べてどれほどのものだろうか。昨年のガソリン価格高騰のことを思い出す。当時の福田総理は2050年までにCO2排出量を50%削減をサミットに提案するとしていた。ガソリン価格高騰に対しても「CO2排出の問題もあるし、車に乗るのを控えるようになるからいいのではないか」みたいなことを言っていた。それは問題のすりかえでおかしいのではないかと思っていたが、現在は「経済対策のために休日の高速道路料金を引き下げる」として、経済対策のためと称して、むしろ車によるCO2排出を奨励しているようなものである。とかく政治には、CO2排出問題が都合よく使われているだけのように思えてならない。


 現在でいえば、むしろPCでうまくコントロールして家電や自動車、その他機器による直接、間接のCO2排出を削減することではないのかと思う。早くIPv6が一般化して、それに対応したデジタル家電が普及しないとなかなかそうはならないだろうか。可能性のあるPCだけの電源を切っても、それは優先順位が違うような気がする。車に乗るなどころか、テレビを見るな、風呂には毎日入るな、1日3回も料理はするな、などという論理にもなりかねない。もっと大きく見ると、経済不況で経済活動が世界的に停滞すると、むしろ環境にとっては良いことではないかということになる。


 自分などは自宅内サーバーもあるが、PC電源はあえて付けっぱなしにしておく方なので、こういう制限運動はやや頭が痛いところでもある。PCの一般ユーザには「あなたがPCを使うことは、地球にとっては害でしかない」ということになるのだろうか。このブログを書いている時間もPCの電源を切っておくべきなのかもしれない。そういえば、むしろエアコンの利用は制限していて、よほど暑くない限り、なるべく扇風機で我慢するようにしている。これなどPCの電源と比べて、どの程度「貢献度」が違うのだろうか。