GoogleのJavaScript実装テスト
昨日のGoogle Apps Scriptの話題の中では触れる余裕のなかった、JavaScript実装テストの結果の話題である。意外なことに最優秀ブラウザはOperaであったという。結果がダーツの的のように示されているので、素人目にもわかりやすい。「Sputnik」とは、どういう技術的内容のテストになっているかは定かではないが、一応ブラウザ上から実行可能で公開されている。この結果が物語ることは何だろうか。
GoogleのJavaScript実装テスト、最優秀はOpera(ITmedia) Sputnik:http://sputnik.googlelabs.com/(Google)
うがった見方をすれば、結果順位がちょうどブラウザのシェアと逆の順になっているではないか。現在のシェアはIE、Firefox、Chrome、Safari、Operaの順であったはずである。もしGoogleがJavaScript実行のパフォーマンスをもって他のブラウザを圧倒していることを示してその優秀性をアピールしようとするなら、Chromeがトップに出るような都合のよいテストを持ち出して順位を付ければよいようにも思えるのだが、あえてそうしなかったところに何か意図を感じるなくもない。
Googleとしては、IEやFirefoxよりはJavaScriptの実行において優秀だということは、Chromeをリリースしてきた当初の頃から主張してきたことように思える。しかし、かといって始めから順位をChrome、Firefox、IEにとしてしまったのでは、テストそのものも含めてGoogleのアピールにしかならない。そこでChromeはFirefoxやIEよりは優秀だが、１位ではないという形を取った、というのは深読みしすぎだろうか。Operaは世界的なシェアは低いものの、欧州では人気が高い。SafariにしてもMacユーザを中心とする一定の固定ユーザが存在している。Chromeは特定のブラットフォームを持たないが、明らかに競合するのはFirefoxとIEであり、他の２者ではない。そういう政治的意図？が見え隠れするようなテスト結果の公表に思えてしまうのである。この結果を見たからといって、ではOperaに切り替えようとする人は少ないだろう。OperaとしてもJavaScriptのパフォーマンスで勝負しようとしているわけでもなく、最近はブラウザのWebサーバー化で話題をふりまいているから、向いているベクトルが違っているといってもよいだろう。
