Googleの発表「WebM」「Android2.2」

 いろいろとニュースの話題でも採り上げられたのは、Googleの開発者向けカンファレンスである「Google I/O 2010」での発表であったようだ。ざっと挙げるだけでも、Android2.2の発表、Google TVの発表、動画規格WebMの発表、Chrome Web Storeの披露、Google Waveの一般公開、そしてマスコミでも報じられたストリートビューでのWi-Fiからのプライベートデータの誤収集の公表などがあった。

重大発表がめじろ押し--開発者カンファレンス「Google I/O 2010」開催(CNET Japan)
Google,オープンなWebビデオフォーマット「WebM」を発表(ITmedia)
IE9のHTML5動画再生、H.264に加えオープンソースのVP8もサポート
Googleのオープン動画フォーマット「WebM」Appleは不支持か(5.21)
WebM an open web media project

 それぞれが大きな話題ではあるが、ここでは「WebM」に注目したい。HTML5動画の標準コーデックに関しては、ライセンスの存在するH.264オープンソースOgg Theoraが、ブラウザごとにIESafari vs FirefoxOpera、そしてGoogle Chromeは両方に対応して中立のような立場になっていた。しかしGoogleは中立だったわけでなく、この「WebM」を標準として打ち出したかったのが真の意図だったようだ。発表された時点で、MozillaOperaAdobeはすでに支持派だったようで、MicrosoftさえもH.264のみに対応するとしていた方針をあっさり転換して、IEでもインストールできるようにするという。H.264Ogg Theoraで対立していたように見えた両陣営が、第3の候補に呉越同舟で乗っかったようである。特に何かとGoogleと対立する場面が多いMicrosoftが支持に回ったことで、俄然「WebM」が標準コーデックになる可能性が高まったといえるだろう。懸念されたコーデック問題は解決に向かうのだろうか。



 Androidの重要性が急速に高まってきているように思える。スマートフォンのみならず、今後登場するであろうタブレットPCのOSにもなりそうである。iPhoneiPadが先行するものの、時間が経てばオープンソースでどのメーカーでも組み込めるAndroidの方が、数の上では優勢になることだろう。それらを見越した上でのAndroidのバージョンアップともとれそうだ。


 自分もネットブックAndroidをインストールしてテストしてみようかと思っていたが、「どうせChrome OSが出るから」と果たさずにいた。ところが今の情勢では、まだ見ぬChrome OSよりAndroidの方が現実的になってきているようだ。