民主党代表選の1つの側面

 この暑さが続く中、民主党代表選はヒートアップしている。菅首相小沢一郎とのガチンコ対決になっているからである。政治的主張はともかく、個人的にはもちろん直接の面識はないが、両者はそれぞれ実家の地元筋の関係と出身の学校の先輩筋に当たっていて困った対決になっている(そうでもないが)。

小沢氏ニコニコ動画でPR1時間半出演(nikkansports.com)
新宿で演説の菅首相原点回帰宣言にヤジ
どうなる代表戦 小沢氏の“ニコ生会見”にあなたも参加(ITmedia)

 こうしたご時勢であるから、マスコミは当然のことながらネット上も百家争鳴の状態である。言論自由の世の中では、ある意味政治問題は政治家から庶民まで誰でも「一億総評論家」の一人になれる問題であるといえる。近年のテレビやマスコミなどを見れば、余計にそれが増幅されているようでもある。そこにネットのように、いわば草の根的な発言も可能になってきたのだからなおさらである。ブログやtwitterもまさに政治問題になると発言が過熱する。


 そこで少し奇妙な現象が起こっている。マスコミの世論調査では圧倒的に菅首相支持だが、小沢氏は政治資金の疑惑で不支持だという。これまでのマスコミの小沢バッシングからすれば当然の結果であろうが、ここにきてネットでの複数のアンケートの結果では、逆に小沢氏の支持率の方が高いのだという。多かれ少なかれ、マスコミの世論誘導は誰しも感じていることではあろうが、これほどはっきりと逆の結果が出ることも珍しい。まさに世論をめぐっての、マスコミVSネットの構図になっているようである。


 小沢氏は意外とネットに対しては早くから敏感であったように見える。確か政治家で初めてニコニコ動画に出演したのは小沢氏だった。それが今回のニコニコ動画出演にも繋がっているのだろう。そして「僕は操作ができないけれど、ツイッターをしたい」と言うのも独特の嗅覚なのかもしれない。


 小沢氏とネットの関係ということで少し気になったので、恣意的アンケートのようなものではないGoogle Trendで、ここ最近の菅首相と小沢氏の比較を行ってみたのが下の図である。




Google Trendによる菅首相と小沢氏の比較


なんとここ10日ほどで、小沢氏の方が菅首相に関心度ではダブルスコア以上の差をつけている。もちろんWebへの検索数だから、ポジティブもネガティブの話題もすべて含めてが対象である。良かれ悪しかれ、小沢氏への関心がこれだけ高いということである。特に8月26日のピークは、小沢氏が代表選出馬の意思を表明した日である。一方の菅首相は現職の首相ではあるが、それほど大きく関心が増してはいないようである。


 国民の直接選挙ではないにしろ、いろいろな人(特にマスコミ)が、声高に自分の主義・主張を表したがる話題には違いないが、Google Trendの検索結果に、ある客観的事実が読み取れるような気がしてならない。