Nokiaは「炎の中」と危機感
日本からはすでに撤退してしまっているNokiaだが、ここにきてスマートフォン市場での危機感を感じているようだ。実際、最近では世界の販売台数でAndroidに首位を明け渡している。そこでトップの方針で、一大方針転換が図られるのではないかという。それは基本OSに、AndroidかWindows Phone 7を採用するのではないかという。
ノキア、MSとグーグルOS採用か「炎の中」と危機感(日経Web刊) ノキア、危機を訴えるCEOの内部メモから広がる憶測..(CNET Japan) Nokia, Microsoft Talk Cellphones(WSJ.com) Full Text: Nokia CEO Stephen Elop's'Burning Platform’Memo
日本のようなガラパゴス地帯はともかく、Nokiaといえば世界の携帯電話市場を制覇してきたが、スマートフォンの時代になって風向きが変わってきた。iPhoneとAndroidの「進出」である。実際、AppleやGoogleはもともと携帯電話などのモバイル分野のプレイヤーではなく、PCやネット分野からモバイルにアプローチしている。Microsoftも同様である。携帯電話プロパーだったNokiaやRIMは、これらの侵攻を受けているといってよいだろう。特に基本OSの開発力には差がありそうだ。
Nokiaとしては、今後スマートフォンの独自OSを開発を続けても、iPhoneやAndroidに対抗していけるか、大きな岐路に立たされているといってもよいだろう。Nikiaは独自OSの「MeeGo」の開発を中止したとされる。そして憶測では、AndroidかWindows Phone 7の採用を決断するのではないかという。ある意味、現実的な選択であるかもしれない。もう携帯電話という言葉そのものが古い概念になりつつあり、今ではスマートフォンもネットの1形態に過ぎなくなりつつある。特にOSやブラウザなどWeb環境は標準化されていないと今後は難しい。そうなるとネット側で実績のある基本OSを採用する方が現実的になる。
ではAndroidとWindows Phone 7のどちらかということになる。Androidを採用してしまえば、現時点では出荷台数で1,2位がまるで「大連立」するようになる。何かNokiaがGoogleに飲み込まれたかのようでもある。一方、Windows Phone 7はシェアが小さいが、そこに台数でトップを争うNokiaのスマートフォンに採用されれば、シェアでAndroidに対抗できる可能性が出てくる。Android、iPhone、Windows Phone 7の三つ巴の状況になる。Microsoftにしてみれば願ったりかなったりだろう。競合という点では、こちらの方が面白いかもしれない。しかしユーザにとっては、どちらの状況がいいのか、あるいは現状のままの方がよいのかは何とも言えないところだ。