関東甲信越でドコモに通信障害

 震災の影響でもないのに、まるで「みずほ銀行状態」とでもいうべきだろうか。ドコモで過去最大の大規模な通信障害が起きた。調べてみると、最近しばしば障害が起きているようだ。原因は偶発的なものではなく、パケット量増加などによる根本的なものではないのだろうか。

関東甲信越で契約したドコモ端末に通信障害(+D Mobile)
ソフトバンクとauで通信障害―ドコモからMNPで乗り換えた場合
ドコモ:他社の端末にも障害広がる(毎日jp)
ドコモ:携帯電話172万台通信障害 10都県で
通信障害のお知らせ(NTTドコモ)

 インターネットは分散処理であるが、携帯キャリアは事実上集中型である。すべての通話も通信パケットも基地局に集中する。携帯所有者と使用頻度が増加するにつれ、基地局の交換機、サーバーなどには負荷が集中している。関東圏での障害ということはそれを物語っている。マスコミですら「輻輳」という言葉を使って報道している。簡単にいえば混雑だが、ネットワークの場合、それによって何が起こるか、通信キャリアにとってはいまだに経験したことがないためにわからないというのが実情だろう。単純に一部の機器の故障というわけではなさそうである。だから「みずほ銀行状態」なのである。


 音声通話が混雑したとは思えない。携帯では音声よりメールのパケットの方が増加しているし、スマートフォンに至ってはWebのパケットが圧倒的になっているはずである。そしてMNPの影響により、他社へも影響が広がっている。普及度からいってスマートフォンの利用の増大が障害の原因に影響したかどうかはわからないが、今後の普及に不安を残したことは間違いがないだろう。


 震災時も、年始の午前0時頃であっても、すぐに携帯は繋がりにくくなる。非常時には使えないという印象である。スマートフォンSkypeの方が繋がったというくらいだから、ノートPCを持ち歩いて非常時はSkype同士で連絡を取り合うということを考えた方がよいかもしれない。世間では、近年はどんどん設置数が少なくなっている公衆電話を見直そうという話まである。


 それにしてもパケットに課金しているにも拘らず、まだこうしたレベルであるのは、インターネットでいえば「ダイアルアップ時代」と変わらない気がする。悪い意味での通信の既得権による「独占」が生んでいる歪なのかもしれない。