PaaSは「スイート製品」になる

 最近はどうもクラウドの話題になりがちである。自分は初期の頃からクラウドに関心を持ち続けているが、周囲の反応はイマイチの面もあった。しかし震災経験以来、風向きが変わったように見える。クラウドが現実的なシステムのあり方として認識され、期待もかかってきたのだろう。セミナーなどの勧誘もやたらに多くなった。ただそれらはほとんど、ベンダーがプライベートクラウドを売らんかなの目的のものが多いので、一般論以外にはあまり関心がない。さて、そこにSaaSの話かと思ったら、PaaSの「スイート製品」の話があった。

2年後、PaaSは「スイート製品」になる(ITpro)

 「来年のことを言うと鬼が笑う」ではないが、ネット全体がそうであるようにクラウドもなかなか予想はつかない。ただ普及している流れだけは確かである。これまではどちらかといえばストレージサービスなどが注目されており、SaaSではないWebのアプリケーションはまだこれからといったところだろう。


 SaaSは従来のWeb 2.0時代からのアプリケーションがそのままクラウド基盤になっているイメージだが、PaaSといえばGoogle App EngineWindows Azureである。その上でのアプリケーション開発が必要であるから、まだこれからというイメージである。自分のところのGoogle AppsでもGoogle App Engineが利用可能になっているのだが、まだ開発に至っていない。最初の頃はPysonしか使えなかったが、現在ではJavaPHPも使えるようになっている。あとはデータベースが、というところだろうか。まだクラウドならではのアプリケーション、ということをよく理解していないというのが実情である。少なくとも、従来のLAMPなどのWebサービスを、そのままPaaSに移行させるという程度のものではないだろう。もちろんそのまま移行させるのも、それほど容易ではない。


 「スイート」になるのはよいが、そこでMicrosoftのようにまたライセンスが発生するようなものには移行したくはない。それはOfficeをSaaSに移行するようなレベルだけを行っていればよいだろう。クラウドは仮想化からアプリケーションまで、オープンソースだからこその、スケールアップができるものであるべきだと考える。