大学で高校世界史

 大阪大学が来春から高校で世界史を未履修や時間数不足の学生対象に、高校の世界史を行うことを発表したそうだ。ゆとり教育と受験勉強偏重のしわ寄せがここまで来たかということか。阪大みたいな立派な大学よりも、ほとんど入学時の学力不問の三流以下私大こそ、こういうサービスをした方がいいんじゃないのか。学生集めにシャカリキな現状からすれば、僅かながらも売りになるかもしれない。
 高校の世界史といえば、私は担任の先生が世界史で人格者だったせいか得意科目だった。その先生はその後、若くして校長を何ヶ所も歴任して、大学教授・学長にもなった。テストのために暗記したようなことはほとんど忘れてしまったが「君たちは今は読まなくても構わないが、この「ソクラテスの弁明」はいつか読んでおく価値はあるよ」というような言葉は記憶にある。「いつか」というのは、まさに大学に入ったらということだったろうと思う。それが大学に入っても高校の暗記的な世界史じゃしようがない。受験生に対するサービスといえばそうだろうが、大学の勉強は根本的なスタンスが違うと思うよ。