日本人初のNHL出場

 米国の4大プロスポーツNFL, MLB, NBA, NHL)のうちの1つ、アイスホッケーのNHLに日本人としては初めて福藤が登場を果たした。MLBと田伏が果たしたNBAに続き、3つめの快挙だという。何でも最初の第1号になるというのは凄いことだ。特にGKは競争も厳しく、レギュラークラスは30歳過ぎが多いのだそうだ。アイスホッケーといえば国内では王子とかコクドとか圧倒的に強いが、層は薄いマイナースポーツのうちに入るだろう。NBA、NHLでやっと1人というのだから、バスケット、アイスホッケーのジャンルでは、日本はまだまだ未開のレベルの国ということか。さらにはアメリカンフットボールでも候補者はいるものの、日本人はまだ出場を果たしていない。ラグビーなどでも欧州、ニュージーランドあたりとは大人と子供のくらい差がありそうだ。
 そうはいっても、日本人も体格的には世界レベルには劣るものの、昔に比べればいろいろなスポーツで世界レベルに追いついてきたものが多くなった。水泳だとか、女子フィギュア、女子ゴルフなんかでもそういえるだろう。
 サッカーだってW杯がどうのと言うようになったのも、Jリーグ発足後のここ10年ほどの話だし、昔なんかW杯なんてレベルが違いすぎて、日本には関係ない話のイメージだった。
 唯一、一番早く世界レベルに近いといえたのが野球だが、こちらはマッシー村上がメジャーに登場して以後、30年ほど音沙汰がなくて、野茂が登場してから堰を切ったように毎年選手が流出するようになった。皮肉なことに世界レベルになったら国内の人気が凋落するようになったのだから、野球の方は、国内ローカルでいた方がよかったのではないかとさえ思われてくる。
 それでも、日本は人口が多いせいか、どんなスポーツでもそれなりにマネしながら盛り上げている国といえるだろう。夏から冬までさまざまな競技をこなしている。野球とサッカーの両方のプロを持つ国さえ、世界にそう多くあるわけでもない。国技の相撲もあれば、プロレスもボクシングも総合格闘技だってある。いずれにしろ、プロスポーツならスポンサーになる金持ち企業が付かなければ成り立たないのだから、結局数多くのプロスポーツを持っているということは、国力や経済力を反映していることになる。実際、五輪でメダル獲得数の多い国を順に並べれば、国連の常任理事国になってしまう。日本はやはり常任理事国と非常任理事国の境界あたりの順位なのだろう。
 ともあれ、世界に通用する人材を輩出できるのはよいことだ。あとは一流選手が海外流出した後、残された国内の需要をどう維持して、次世代の人材を育成することに繋げられるかだろう。