大丸と松坂屋が経営統合

 老舗のデパートの大丸と松坂屋が経営統合するのだそうだ。表向きは売り上げ規模では日本最大のデパートということになるが、実態は長引く業績不振のため、経営統合して全体としてはリストラ・縮小に向かうということだろう。銀行やスーパーや他の業界、市町村合併などと似た状況だ。

 大丸といえば、中学生で初めて東京駅に降りたとき、駅ビルにドーンとあったのが大丸だったので、てっきり大丸は東京の象徴だと思い込んでいたら、本社は大阪だった。そごうや高島屋にしてもそうで、松坂屋は名古屋だし、東京はデパートも全国からの寄せ集めだったのかということに気がついた。

 昔は同じものを買うにしても「デパートで買った」という事実がブランドイメージみたいなもので、その証拠のためにデパートの名前の入った包装紙が重要だったりする。田舎に買って帰ったり贈ったりする、お土産やお歳暮・お中元を買う場所のイメージしかない。自分はもう贈ることすらしないが。
 また住んでいる地域にデパートがあるということは、なんとなくその地域のステータスみたいなもので「おまえの田舎にはデパートなんかあるのか?」とは、田舎者をからかう言葉だったりした。


 それはともかく、もはやデパートの時代ではないだろう。長い不況で消費が冷え込んでからは、少なくとも庶民はわざわざ高いデパートなんかで買い物をしなくなった。なんでも、デパートをありがたがるのは、団塊の世代くらいまでなのだそうだ。

 それしても、いろいろなジャンルの専門店が軒を連ねて同居しているスタイルがデパートだとするなら、今やネットこそが最大規模のデパートになっているといえるだろう。そう見ると、デパートは高価な大型のコンピュータ(メインフレーム)に例えれば、今や小型で安価なPCのネットワークに取って代わられた状況に似ていなくもない。