桑田オープン戦好投

 パイレーツ桑田がオープン戦初登板、1イニングを2奪三振、三者凡退に抑え、地元の評価もうなぎのぼりだという。

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パイレーツは資金もない大リーグ弱小球団だけに、年俸の低い若手主体のチーム構成にならざるをえない。桑田が自ら「おじいさん」と言っているように、一回り以上若い20歳台がチーム全体の平均年齢のようだ。桑田以外に30歳を越える投手は1人だけだという。これがヤンキースのように常に優勝を争うチームだと、FAやトレードで実績のあるベテラン選手が多くなるので、むしろ若手は出番が少なくなる。日本だと巨人みたいになる。
 そういう事情から、多くの若手にチャンスを与えることが優先されるために、まだまだ桑田のメジャー昇格は微妙と言わざるを得ないだろう。ただ記事によれば、桑田初登板に日本の報道陣が70人も駆けつけたという。松坂番の記者が回ってきたのだろうが、パイレーツで他にこれほど注目されている選手はいるまい。思い出されるのは、かつてやはり弱小球団のブリュワーズに、桑田と同じような立場で挑戦した江夏だ。まだ日本人選手に対する評価ゼロのとき、桑田よりは若い36歳で挑戦したが、最後でメジャー昇格はならなかった。同じような実力であれば若手の方にチャンスを与えるとかの理由だったと思う。楽天が獲得こそしなかったものの、あのあまり人を褒めない野村監督が「桑田はプロ中のプロ」と言い切っていたことが、果たして海の向こうでも認められるかどうか、松坂以上に注目している。


 ところで、数日前の松井−桑田の対談は面白かった。ヤンキースとパイレーツのキャンプ地が車で1時間ほどなので、スポーツ紙の企画で実現したという。いつもは撮影用に作った笑顔のような2人が、この時ばかりは会心の笑みを見せていたように思った。

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さすがに巨人時代の元同僚、先輩、後輩で、桑田の突っ込みに松井がしっかりボケるという感じだった。松井に夜遊びを教えたのは桑田だそうで、清原ならさもありなんのイメージがあるが、孤高の人のイメージの桑田がそういう面倒見をするとは意外な感じもした。メジャーでは先輩になる松井に、桑田も勇気をもらったという。この好投もそうした心理面での効果があったのかもしれない。