Yahoo!が大量のメールを消失

 メール容量無制限の方針を打ち出したばかりのYahoo!メールに大きなトラブルが発生。450万件もの大量のメールを消失してしまったのだという。

Yahoo!メール、450万件のメールを消失--最大67万IDに影響(CNET Japan)

情報漏洩ではなく情報消失だそうだ。消失とかうっかりミスも間違いなくセキュリティの範疇の問題だろう。スパムメールを勝手に消去してくれるぶんには構わないが、送受信したはずのメールの証拠が消えて、相手からのメールはなかったことにされるのは大変困る。


 以前、自前のメールサーバが落雷による停電でダウンした影響で、一定時間内の送受信メールが消失したことがあった。エラーメールが送信者に返っていればいいのだが、ログも残らずに、そもそもメールを受信したかどうかの証拠すらない。運悪くその時間帯に大事な人からのメールが送られていたようで、後日電話で「メールを送ったのに何も返事がないじゃないか」と小言を言われた。あまりメールサーバのダウンを言い訳にすると、今度はこちらのシステムが不安定であることを曝け出すことにもなるので、適当にこちらのローカルのマシンがトラブったことにして、お茶を濁したりした。

 もちろん重要メールには相手に対して開封確認メールの送信を要求をするものもある。ただあまりこのてのメールが増えるのも、開封するのが遅くなった場合、確認メールを自動送信されるのも気が引けてしまう。


 とにかく、メールの内容どころか、相手から送られてきていたのかどうかという事実さえ不明になってしまう場合だと、メールシステムそのものに信用がおけない事態になってしまう。それによって顧客からのアポを取りそこなったり、ビジネスチャンスを失うことも大いにありうるからだ。

 今回の事故のはっきりした内容は公表しないだろうが、消失した原因が問題だろう。人災なのかシステムの欠陥(バグ)なのか、システムが負荷に耐え切れなかったのか。
 折りしもGoogleGmailに対抗して、Yahoo!メールの容量無制限を打ち出したばかりだし、GoogleGmailを含むGoogle Appsを法人向けに売り込んでいる時期だけに、ビジネスシーンではメールが信用できないという印象を持たれることはYahoo!にとっては痛いところだろう。やっぱりGmailを使っていてよかったということになる。


 そういえばスパムの発信元のメールアドレスはyahooになっているものが多い。偽造されているのかもしれないが、もともとフリーのWebメールなんて信用が置けない捨てメールアカウントさ、という意識に引き戻されてしまうような一件ではある。