ブログを一番沢山書いているのは日本人?

 最近では、日本語で書かれているブログの数が世界一であるという。これは日本人が物書きが好きだということか、日本人独自の特性といえるのだろうか。

日本語のブログ投稿数は世界第1位の37%--2006年第4四半期調査

 英語は一応標準語なので、英語で書かれたブログは英米人ばかりではないと思えるので、純粋な日本人だけで、いかに多くのブログ記事が書かれているかが察せられる結果である。
 当然ではあるが、読み書きができる層が多いこと、ネットの普及は最低条件だろう。日本人は人前で意見を述べたり、欧米人のようなディベートを好む民族ではないことが根底にあると思われる。その上で、人前で言いたいけれど言えない、言うべき場がないことをブログにぶつけているのかもしれない。2ちゃんねるに根強い人気があることにも共通しているだろう。


 良く言えば文章を書く力がある人が多いのだろうが、ブログという性格上、じっくりと練った文章を書くよりも、悪く言えば時勢に合わせた書き捨ての文章が多くなる。それに紙に書いていた文章よりも、コピー&ペーストの文章が多くなる。デジタル文書の宿命といえるかもしれないが、子供の頃からコピー&ペーストに慣れてきた人々も増えてきているかもしれない。


 昔は、子供がテレビや漫画ばかり見て読書をしなくなった、活字離れだと嘆かれたものだった。紙に印刷された本は読まなくなっただろうが、今はネットから得た活字をそれなりに読んだりコピーはするようになったかもしれない。そして紙に書く作文の機会は減ったが、PCで作文をする機会は増えたと言えるかもしれない。
 そして今後はこのネットがどう影響していくかはわからない。もはや重い文章が称えられる時代ではないかもしれない。近年の芥川賞直木賞の受賞作品などを読んでも、そういう印象を受ける。

 しかし過去を懐かしんでも仕方がないので、今のツールを生かして、オリジナル性の高い文章力を身に着けることを前向きに考えていくしかないだろう。普段文章を書く機会がない人には、ブログは作文力を鍛えるには絶好のツールであるとも思う。
 さらに言えば、自分も苦手でいつもコンプレックスを感じてきた、英語とか英作文も気楽に鍛えるツールにもなりうると思う。ネットの可能性としては、今後は日本人でも下手な英語でブログを書ける人が増えていいとも思える。


 そもそもブログのことは日記としている向きがあるが、人に読まれることを前提としているものは日記ではないと思う。自分と家族や知人くらいしか、読む可能性がある人を想定していないのが本来であり、その範囲ならば自分の本音を独り言のように書くこともできる。しかし初めからネットで不特定多数の人にも読まれる可能性があるものは、本音よりも取り繕った文章になってしまう。やはりブログは、ブログという独自のものである。
 そんなわけで、自分はあえて日記というタイトルは避け、ネットで探したニュース、評論をネタにする文章という意味で「世間話」ということにしている。発言の真偽、妥当性に対して責任を負わないという意味も込めてなのだが。