Googleの電力問題

 Web 2.0の掛け声とともに、巨大化しているGoogleではあるが、短期間で膨張を続けてきただけに、いろいろな悩みも顕在化してきているらしい。コンピュータやネットの技術的問題以前の「電力問題」が深刻化しているのもその1つらしい。

グーグル、巨大データセンターの電力問題に悩む

Googleといえば、90年代末くらいには1万台近くのラックマウント式のサーバー群を並べて、世界中を顧客とするような巨大なデータセンターになったイメージがある。ラックマウント式などは今でこそ当たり前のものとなったが、当時は斬新なシステムに思えたものだ。


 それが今では世界の25箇所で45万台超のサーバーが稼動していると推測されているそうだ。個々のサーバーはハードウェアはローエンドのPCサーバーで構成されているため、1時間あたりに数十台以上の故障やクラッシュが当たり前のように起こる。しかし複数のサーバーで構成されバックアップも万全なのでサービスには影響しない。ちょうどサーバーが、コンピュータ黎明期の真空管型コンピュータの真空管のようでさえある。
 そういったサーバーの数の力で冗長構成されているが、最大のネックが電力供給の問題のようだ。巨大な電力を供給するには、データセンターを発電所に置くしかない。ところが発電所の施設を建設や、サーバー冷却設備に膨大な予算がかかり、下手をすると電力を供給するためのコストがサーバーそのもののコストを超えてしまうというのが悩みらしい。まさに大都市に建物が集中し、夏に冷房をきかし過ぎて電力危機を招く状態に似ている。


 「情報が流れる先にはエネルギーの流れも伴う」というのは持論だが、それどころか発電所から一般家庭にまで電気が供給されるのと同じように、発電所からGoogleのサービスがやってくるとは思わなかった。「情報発電所なる言葉はたとえ話ではなく、そのままの意味だったらしい。