米の大学内で最悪の銃乱射事件

 米バージニア工科大学で講義中の教室に向けて銃乱射事件が起こり、学校内部での事件としては過去最悪の30人以上の死者を出す惨事となり、犯人も銃で自殺したという。


 まるで自爆テロの続くイラク国内の話かと錯覚してしまう事件である。治安の悪い武装地帯ならいざ知らず、米国でも田舎にある大学のキャンパスの中での話だから余計に考えられない。
 大学側の危機対応の遅れへの批判もあるようだが、米国とはいえ、田舎ののんびりとしているあろう環境で、まさかこれほどの大惨事を予期することは不可能だったろう。


 犯人はアジア系という証言もあるようだが、なんらかの恨みがあったにしろ無差別殺人に走る背景は全くわからない。多くの民族がひしめく米国には日本では想像できない複雑な社会の事情が根底にはあるのだろう。加えて、自分の身は自分で守る精神が行き渡っている国民性から、銃が自由に手に入れられる社会である。なんと年間1万人もが銃の犠牲になっているそうだ。1日あたりで30人近い計算である。しかし、単純に銃社会に反対、批判するだけでは根本的解決にはならないだろう。

 日本でも、最近は過去には考えられなかったような殺人事件が起こるようになったが、それでも被害者の人数が大きくならないのは、銃のような「大量殺戮兵器」を持ち合わせていないからではある。


 国内でも夜になってから長崎市長の銃撃事件が起きた。こちらも背景はわからないが、選挙戦で候補者が町の中を遊説するのも危険になったものだ。今日は暗い1日だった。