昭和生まれ、1億人を割る

 昭和生まれが20数年ぶりに1億人を割ったという。昭和生まれの高齢化が進み、平成生まれが2000万人を突破したという。

昭和生まれ、初めて1億人割る 06年推計人口

平成になってから、いつのまにか20年近くたってしまったのだから何も驚くには足らないが、有名人が亡くなるたびに「昭和も遠くなりにけり」とか「また1人昭和を代表する○○がこの世を去った」みたいな物故記事を見かけることが多くなった。実際、人口的にも確実に減り続けているのが実感させられる。一方でまだ1億人近くもいるのか、という思いもある。


 そもそも昭和だ、平成だという時代分けは日本だけの話なわけだから、西暦しか考えなければ何も郷愁も感じないはずだ。20世紀生まれが何割かを切ったなどと言われるのは、まだまだ先だろう。
 とはいえ、日本人はやはり年号に思い入れがあるのだろう。特に昭和は昭和天皇が20歳の頃から60有余年もその地位にあったわけだから、昭和世代は特別といってもいいのだろう。平成は到底そんなに長い年数が続きそうにもないわけだから。


 また昭和といっても、やはり戦前と戦後に分ける基準が非常に大きい。自分が子供の頃も「戦前は」とか「戦時中は」という言い回しを、日常から耳にタコができるくらいに聞かされ続けてきたような印象がある。その感覚で、ついつい若い人の前で「戦前は・・」などと言いかけて、慌てて「第2次大戦前は」などと言い換えたりすることもある。戦前と戦後で劇的に価値観が変わってしまったことを、リアルタイムで体験した世代か、それを物心がついた頃から聞かされ続けてきた世代でなければ、なかなか理解しがたい感覚であろう。


 憲法を改正したい動きをし出した現在、まさに戦前世代が燃え尽きようとしている時代になってきたようだ。日本の、いや世界の未来は、まだまだ見えてはこないようだ。